学生時代、居酒屋チェーン店で2年間ほどアルバイトをしていた際に、来店客のクレームに遭遇したことがあります。店長が対応してくれて事なきを得ましたが、社会人になってからのクレーム対応経験を含めても、その居酒屋アルバイト時代のクレームが最も辛いものだったような気がします。
本書をまとめた「外食相談研究会」は、大手外食チェーン23社のお客様相談室責任者のネットワークで、そこで共有されているクレームの対応経験などが本書のもとになっています。実際のクレーム事例がベースにあるため、そのまま現場の教育に応用できます。
クレームと言うと、言いがかりを付けて無理難題を要求するクレーマーの存在を思い浮かべますが、本書によると「99%のクレーム客は理不尽な要求をするクレーマーではない」とのこと。そうした“普通の”クレームを解決に導く際のポイントは、クレームを言う顧客への「共感」と指摘しています。
顧客のクレームに対し、的確な相づちやメモの用意などで、クレームを言わざるを得なくなった顧客の気持ちに共感する姿勢を見せることで、顧客は冷静になり、解決のための建設的な話し合いができるとしています。その相づちにしても、単に「はい」「ええ」だけではなく、「そんなことがあったんですか?」「おわびの言葉もございません」など、さまざまなバリエーションで応対することが、共感の意識を表すうえで効果的と言います。
クレームの際は、何より「とにかく相手の話を聞く」のが鉄則です。どういう分野の企業でも、新入社員がクレーム対処方法として最初に教えられるのは「聞く」ことでしょう。しかし単に「聞く」だけでは、その場のクレームは解決できても、その顧客と親密な関係を築くまでには至らないかもしれません。共感という一歩進んだクレーム対応を定着させれば、クレーム客をその後ファンに変えることさえできると本書は言っています。
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