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財部誠一の「ビジネス立体思考」


「31年ぶり」貿易赤字の大嘘、国内生産はもはや消滅の危機

2012年01月31日  RSS  コメント(48件)

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「2011年、日本は31年ぶりの貿易赤字転落」

 1月25日に財務省が発表した貿易統計(速報ベース)によれば、2011年の貿易収支(速報ベース)は第2次石油ショック後の1980年以来、じつに31年ぶりに赤字へ転落した。

2008年度は貿易赤字だった

 多くのニュースは赤字転落の主な理由として、円高や東日本大震災で製造業のサプライチェーンが崩壊したために輸出が急減したこと、さらに福島の原発事故後の電力不足を補うために火力発電の燃料である液化天然ガスの輸入が急増したことだと解説した。東日本大震災が招いた悲劇的な状況が輸出急減、輸入急増を引き起こし、31年ぶりに日本の貿易収支は赤字転落してしまったのだと解説した。

 だがこれほどミスリーディングな解説はない。ふだん貿易統計などとは無縁の人々が受けたであろう衝撃の大きさを考慮すれば、「31年ぶり」の貿易赤字という表現はミスリーディングというよりも、むしろ「嘘」に近い。

 なぜなら暦年(1月〜12月)と年度(4月から翌年の3月)の違いはあるものの、リーマンショックのあった2008年度も日本は貿易赤字に陥っている。つまり今回の貿易赤字転落は、遥か昔の31年前に起きた出来事の再来などではなく、ついこのあいだ、リーマンショックの年(年度)にも赤字転落していたのだ。

 要するに、東日本大震災という戦慄すべき悲劇が突如として貿易赤字転落を招いたわけではない。リーマンショック以降、日本は基調として貿易赤字になりつつあるという現実を知らずに、2011年の1年間だけを特別視するのは、日本経済の実態から大きく逸脱した現状認識と言わざるを得ない。

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