カツオの鮮度が高いケンケン漁

 三重県、志摩半島の南部に位置する志摩市志摩町和具地方。この地に伝わるご当地料理が「てこね寿司」だ。地元で捕れたカツオのしょうゆ漬けを酢飯の上にちりばめたちらし寿司である。

 太平洋に面したこの地域は、昔から漁業が盛んな土地柄。特に三重県の北側に広がる伊勢湾には伊勢エビ、あわび、車エビなどが多く生息し、それらを捕獲する「志摩の尼さんたち」が風物詩の一つになっている。一方、南側に広がる熊野灘はマグロ、カジキ、そして3月から4月にかけては、カツオ漁でにぎわう海域として有名だ。

 カツオは水温20度の海域とともにやってくるといわれる魚。カツオの一本釣りと聞くと、土佐の高知県を連想してしまうが、こちら三重県でも一本釣りが古くから行われてきた。

 また最近では、「ケンケン漁」という漁法も復活している。明治時代にハワイから伝わったもので、疑似餌を船から流してカツオを一匹ずつ釣り上げる。この漁法の魅力は、釣り上げてすぐ活け締めにすること。血抜き作業をするのである。この一手間をかけることでカツオの鮮度を維持でき、高い品質のものになる。ケンケン漁は、伊勢市の隣、南伊勢町(旧南勢町)や和歌山県すさみ町などで行われている。カツオ好きな方は注目されたい。

Next:理にかなった料理