昔は「マツイカ」という名前だった
富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁。身体全体を青く発光させ、“海の宝石”とも言われるホタルイカの漁が今年も始まった。富山湾での漁期は3月中旬から6月上旬頃まで。4月中旬から5月中旬には漁の最盛期を迎え、都内のスーパーでもボイルしたホタルイカをよく見かけるようになる。
春先のホタルイカは、産卵を控えて身が締まる。まさにプリプリの触感が一際増す。身の味もまた格別だ。かみしめるほどに独特の甘みが口全体に広がる。一度食べたら忘れられない旬の味だ。
10年ほど前から、同じ日本海側の若狭湾産のホタルイカが2月頃から出回るようになっている。だが、こちらはズワイガニなどと同じ底引き網を使い、深海にいるホタルイカを獲ったもの。旬のホタルイカと比べると値段が高い割に、鮮度が落ち、味ののりも“イマイチ”だ。本来の味を確かめたいなら、旬の時期に富山湾で獲れたホタルイカを待つしかない。
ホタルイカは、ツツイカに属する比較的小型なイカの仲間。昔は「マツイカ」と呼ばれていたが、明治38年に東京大学教授の渡瀬庄三郎博士が「ホタルイカ」と名付けた。この渡瀬博士はもともと昆虫の「蛍」を研究していたが、全国を調査しているなかで蛍のように発光するイカがいることを聞きつけ、ホタルイカと名付けたそうだ。






