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乗り移り人生相談

【126】理の通らない話に悠々と相槌を打ちなさい

Q
認知症の祖母のことをだんだん嫌いになっていきます

 どうか相談させてください。両親は自営業をしており、小さいころから祖母に面倒を見てもらっていました。お世話になったと心から思っています。1年ほど前から祖母が認知症になりました。同じ質問を繰り返し、何を言っても聞かず母を困らせる祖母をだんだん嫌いになりました。認知症はそういうものだとわかってはいても、許せなくて、憎くて、関わりたくないと思えてなりません。何でも出来た祖母が何もできなくなってしまったことが悲しくて、怒鳴りながら自身でもびっくりするくらいひどい言葉を浴びせてしまいました。胸がとても苦しいです。改心したいです、こんな私ですがどうか助言をください。

(23歳・女性)

シマジ  実を言うと、愚妻の母親が認知症なんだ。

ミツハシ ちなみに「愚妻」は「愚かな妻」ではなく、「『愚かなる私』の妻」を意味する謙譲表現ですから、女性蔑視と誤解しないでくださいね。

「怒っているんじゃないの。切ないのよ」

シマジ  今は老人介護の施設に入っていて、愚妻は週に一回、お見舞いに行っている。そこで「おばあちゃん」と呼びかけても、誰か親切な人が会いに来てくれたくらいの認識で、実の娘が訪ねてきたことが分からないんだ。

 ところが、俺が月に一度顔を出すと、「あら、勝彦さん」と言って笑顔で迎えてくれるんだよ。これに愚妻が嫉妬するんだ。「何で、ろくでなし亭主の名前を覚えていて、実の娘の名前を忘れるのよ」とね。

ミツハシ ちなみに「ろくでなし亭主」は「ろくでもない亭主」を意味するストレートな罵倒表現です。シマジさん、大変な言われようですね。

シマジ  まあ、事実だから仕方ない。ところで、認知症になってしまった義母だが、とても優秀な人だったんだ。昔は学校の先生を務めていて、上品で教養あふれる素敵な女性だった。愚妻からすれば、そんな何でもできる立派な母親が、まるで話の通じない老人になってしまったことが耐えられないんだろうね。情けないという感情が先立ってしまい、お義母さんが訳の分からないことを言ったり、したりすると、思わず怒ってしまうんだ。今回の相談者と一緒だね。

 そんなとき、お義母さんは、本当にすまなさそうな顔をするんだよ。それで俺もつい「お前、そんなに怒りなさんな」と言ったことがある。愚妻は「怒っているんじゃないの。切ないのよ」とため息をもらしていたね。

「実の親ではないから、客観視できるのよ」

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