「個性派」ではなく「奇人変人」こそジョブズの本質
ミリオンセラーとなったアイザックソンによる評伝「スティーブ・ジョブズ」を元に、この不世出の天才の創造の秘密に精神医学から迫る試みをしている。
前回は、ジョブズ氏の人生を決定づけたできごとは、実は生まれたとき、いや生まれる前にあったのではないか、という話をした。望まれずに生まれ、すぐに養子に出されたスティーブが持っているコンプレックスが終生、抱えていたのは「未生怨コンプレックス」だという可能性を指摘したのだ。
思春期になるとスティーブはたぐいまれなる知性や独立心を発揮し始め、学校を飛び級。しかし一方で、ハイスクール時代にマリファナをはじめとするドラッグに手を出し、父親に注意されても止めようとしない、などかなり反抗的な側面も顔を出す。
学費が高いので渋る両親に「ここに行けないなら進学しない」とまで言って進学したリードカレッジも、自由を謳っている割には制約が多い、といった理由で辞めてしまう。
そしてまたもやゴリ押しでアタリ社に入社するのだが、彼の教育を任せられた当時の上司はこう思ったという。「ヒッピーだわ、臭いはひどいわ、あんな奴をどうしろと? 俺への嫌がらせじゃないよな? 言うことだって聞かないし」
――つまりスティーブは「ただの個性派」どころか、その域をはるかに超えた奇人変人だったわけだ。
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