ジョブズの出生に、創造の秘密が?
前回に引き続き 、スティーブ・ジョブズの評伝に、精神医学からの光を当ててみている。
ミリオンセラーとなっている評伝「スティーブ・ジョブズ、この本の第1巻を読み始めてすぐ、読者はジョブズ氏が養子であるという事実に衝撃を受けるはずだ。このことはオープンにされていてすでに知っている人も多いとは思うが、それでも本書には実親のことや養子縁組が行われた経緯についても生々しく書かれており、思わず目を奪われてしまう。
実親は、アメリカの保守的な家庭で育った女性ジョアンとシリアから来た大学院生アブドゥルファター。ジョアンはやがて妊娠するが、父親は娘がシリア出身の男性と結婚することを許さず、かといってカトリックなので中絶も許されない。そこで、生まれてくる赤ん坊をジョブズ家に養子に出されることになったのだ。
つまりスティーブは、ある意味でその出生前から「望まれない厄介な存在」であったわけだ。しかも、娘の結婚に反対していた父親は、“孫”の養子縁組が決まって間もなく他界、これで晴れてジョアンと恋人は結婚できることになった。スティーブは、養子に出される必要もなかったわけだ。
評伝は、この出生のパートに対してはあまり多くを割いていない。
しかし私は、スティーブ・ジョブズの創造や人生の秘密のほとんどが、この数ページの記述ですべて読み解けるのでは、とさえ感じた。
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