前回、貿易収支が悪化している原因として、輸入物価の上昇と原発停止に伴って火力発電所がフル稼働し、LNGなどの輸入が増加しているという話をしました。続いて、東京電力の決算を分析し、このままでは東京電力は債務超過に陥る可能性があることを指摘しました。
今回は、2011年11月4日に公表された東京電力の第2四半期のバランスシートを分析しながら、現在の経営状況を探っていきます。その上で、政府と東京電力は今後どのようにするべきかを考えていきます。
特別利益として交付金を計上
まず、前回の記事執筆後に発表された2011年度第2四半期の東京電力の損益計算書を見ていきたいと思います。
上の損益計算書の抜粋の右側の数字をご覧ください。東京電力が第2四半期連結累計期間(平成23年4月1日から同年9月30日まで)として発表した上期決算で、通常の売上高にあたる「営業収益」は昨年度同期の2兆7107億円が、2兆5027億円に、「営業利益」は同2358億円の黒字だったのが、606億円の赤字でした。前回も説明したように、原発の賠償とは関係なく、通常のオペレーション段階ですでに赤字ということです。節電等で売り上げが落ちている上に、燃料費が増加しているからです。
そして、上期の「四半期純損失」は6272億9900万円でした。「特別損失」が約1兆円と大きく膨らんだからです。内訳としては「災害特別損失」に1850億2800万円、「原子力損害賠償費」に8909億800万円が計上されています。
一方、「特別利益」には「原子力損害賠償支援機構資金交付金」として5436億3800万円が計上されました。8月10日に成立した、原子力損害賠償支援機構法に基づいて、機構に要請した資金交付に伴うものです。
前回、第1四半期の決算数値で説明したように、東京電力が営業赤字となった大きな原因に燃料費の増加があります。例えば、LNGの燃料費で23年度第2四半期は7281億8800万円で前年同期の5322億5400万円に比べて、6カ月で約1959億円も増えているのです。その他、重油やLPGも増加しており、燃料費を合計すると約2123億円増えているのです。
そこで電気料金の値上げを認めるかどうかの議論が始まっているわけです。この燃料費の増加分については、東京電力のコントロールや責任を超えたものですから、ある程度値上げを認めないと、東京電力が債務超過に陥る可能性もあります。





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