世界の流れと逆に、急激な人口減少期を迎えた日本の未来を考える本企画。第2回は日本の人口の変遷に詳しい上智大学教授の歴史人口学者、鬼頭宏氏に話を聞いた。日本人は過去の人口減少をどう克服して1億2800万人の現代日本を作り上げてきたのか。歴史をたどり、日本の人口の今と未来を探る(インタビュー、文=福光恵)
日本に最適の人口は何人?
世界の人口膨張が止まらない。一方、日本の人口は、まもなく減少に転じようとしている。それも大変な勢いで――。
たとえば国立社会保障・人口問題研究所が06年におこなった推計によれば、世界の人口が90億人を突破すると考えられている2050年頃、日本の人口は9000万人前後に。さらに2105年には4500万人ほどになるとも言われる。現在の日本の人口は1億2800万人。つまり今後100年で、約3分の2の日本人が消えるという計算だ。
1947年生まれ。上智大学経済学部教授。専攻は日本経済史、歴史人口学。「宗門人別改帳」などの史料をもとに、縄文時代から江戸時代までの人口推移をあらためて明らかにした。著書に「人口から読む日本の歴史」「文明としての江戸システム」(ともに講談社学術文庫)、4月には「2100年、人口3分の1の日本」(メディアファクトリー)も刊行。
もしこの推計通りに進めば、世界で誰も経験したことのない人口激減社会に突入する日本。いやすでに、日本の人口減少は「ジャパンシンドローム」とも呼ばれ、これから多くの先進国が直面するだろう人口減少を、いち早く経験するサンプルとして、世界中からその動向が注視されているという。
とはいえ1万年におよぶ歴史を振り返ってみると、日本列島が人口減少に直面したことは、実はこれが初めてではない。なぜ人口減少が起き、日本人はそれをどう克服して1億2800万人の現代日本を作り上げてきたのか。今回は、その歴史をたどり、日本の人口の今と未来を探ってみたい。
ナショナル ジオグラフィック本誌記事「シリーズ70億人の地球」に合わせ、各界の専門家とともに、世界、そして日本の人口を考える本シリーズ(特設ページはこちら)。第2回は、上智大学経済学部教授で歴史人口学者の鬼頭宏氏に聞いた。
バックナンバー
- 第4回 「日本人と結婚」 山田昌弘(社会学者)(2011年11月09日)
- 第3回 「こんなに異常な『ヒト』の行動」 長谷川眞理子(行動生態学者)(2011年11月02日)
- 第1回 「人口急変で日本は混乱の時代に」 石弘之(環境問題研究者)(2011年10月19日)
















