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乗り移り人生相談

【114】女は、女というだけで必ずモテる生き物である

Q
どうしたら彼氏ができるでしょうか

 現在、28歳ですが今まで誰とも付き合ったことがありません。最近は結婚した友達や先輩に「早く彼氏をつくりなよ」と言われます。とはいっても、モテないし、自分から積極的に行くほどいいなあと思える人はなかなかいないです。また、彼氏がいないという事実よりも友達と恋愛の話をするときにとても居心地が悪いのでなんとかしたいです。どうすると彼氏ができるでしょうか?

(28歳・女性)

シマジ  少し前に「プッチーニの愛人」という映画を観たんだが、これは何とも不思議な、それでいて心に沁み込んで来るような作品だった。

 イタリアが生んだ偉大なオペラ作曲家、ジャコモ・プッチーニは大変な女好きでね。まさに手当たり次第という感じで、女から女へと遍歴を続けた。そんな派手な女性関係の中で、1909年にプッチーニ家に勤めるメイド、ドーリアがプッチーニとの密通を疑われ、自殺を図る。世に言うドーリア・マンフレーディ事件だ。ドーリアは検死の結果、処女であったことが分かり、潔白が証明されるのだが、逆に事件は謎を深める。この謎に挑み、プッチーニが生きた時代を見事に描き出したのが映画「プッチーニの愛人」だ。

 役者は、プッチーニ夫人以外はすべて素人が務めていて、セリフの代わりに登場人物たちが書き残した手紙の朗読と、プッチーニのオペラ作品「西部の娘」の音楽だけで、物語は進行していくんだ。サイレント映画のような静けさの中、映像と音楽の美しさが際立つ素敵な映画だったよ。

共犯者たる女がいて初めて、素晴らしい作品が生まれた

ミツハシ 面白そうですね。どこで観られますか。

シマジ  俺は六本木のシネマートで観たんだが、今はもう東京ではやっていないようだね。

 プッチーニのオペラに出てくるヒロインたちには自殺する者が多いんだよ。「蝶々夫人」の蝶々さんしかり、「トゥーランドット」のリューしかり、「修道女アンジェリカ」のアンジェリカもそうだ。深い愛ゆえの自殺という悲劇を作品中のヒロインに用意したプッチーニ自身が、メイドを自殺に追いやったわけだね。

 プッチーニは自分がつくる作品に自らの女性遍歴を重ね合わせたと言われる。つまり、作品ごとに女がいると言えるほどモテた。女を誘惑しては落としていく色悪タイプだったらしいね。ただし、色悪の男というのは単独では存在し得ない。プッチーニの誘惑を受け入れる共犯者たる女がいて初めて、彼の女性遍歴も成立し、素晴らしい作品の数々が生まれたと言える。それを考えると、28歳でバージンだという相談者は凄い。

相談者のような孤高の姿勢もまた素敵だと俺は思う

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