前回に引き続き、夏休みの特別編として、2011年を年初から振り返ってみます。8月中旬に欧州と日本で4-6月のGDP速報値が発表されました。欧州は下表のとおりですが、日本は実質で年率マイナス1.3%、名目はマイナス5.7%という状況です。ムーディーズが日本国債を最上位から4段階目まで引き下げたのはご存じの通りです。(S&P、フィッチはもともとその格付け。)
あらためて世界経済の先行き不透明さが裏付けられた結果、株式市場などに大きな影響を与えました。まず、欧州の現状を簡単に分析し、その上で日本経済の今年前半の流れを追い、今後の課題を指摘していきます。
欧州の成長率を見ると、ユーロ圏全体での成長率は実質年率プラス0.7%で前四半期のプラス3.4%から大幅に減速しました。これには経済規模の大きなドイツが前期のプラス5.5%からプラス0.5%に、フランスが3.6%から0.0%へとそれぞれ成長率を低下させてことが影響しています。
ドイツは前期に比べて建設需要が低下したこと、フランスは自動車買い替え支援制度が終了したことが、それぞれ成長率低下に影響したとされています。ユーロ安を背景に増えると見込まれていた外需の伸びが大きくなかったことから、より世界経済全体の減速が心配され、市場の気分を悲観的にしました。
先週は米国債の格下げの話をしましたが、先ほども述べたように日本でも格下げがあり、欧州でもフランス国債について格下げの観測がされました。ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領がパリで緊急対談し、ユーロ圏経済政府の創設などで協力していくことやユーロの安定に取り組むことを共同で表明しましたが、実質的な解決策はなく、市場の動揺は収まってはいません。イタリアやスペインなども不安定な状態が続いています。以前もお話ししましたように、抜本的な解決策を見いだすのは難しいでしょう。





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