- Q
- かつての師匠とどうつきあえばよいか
楽器を習っています。最初の師匠は一時、音楽だけでなく私のことも憎からず思ってくれたようです。私は「恋人の関係では一年持たなくても、師弟関係は一生続く」という思いを伝え、男女の仲になりかけたときも最後の理性で避けました。その後険悪になった折も謝罪して、なんとか師弟関係を維持してきたつもりです。今は主人の転勤に伴い別の土地で別の師匠につき、全国区のコンクールを目指すまでになりましたが、前の師匠の電話は常に留守電、年賀状の返事も来たことがありません。ストーカーのように思われている気がしますが、師匠に欠礼は気になります。今後も連絡を入れ続けるべきでしょうか?
(38歳・女性)
シマジ 尺八じゃないかな。
ミツハシ はっ?
シマジ だから、相談者が習っている楽器は、尺八じゃないかな。
ミツハシ さあ、どうだか分かりませんが、「先生」ではなく「師匠」と呼んでいること、30代後半の女性が習い事として続けていて全国区のコンクールがあることなどを考えると、邦楽の可能性は高いですね。箏とか三味線かもしれません。
この尺八の師匠は良くないね
シマジ 相談者が習っているのが尺八だとしてもだ…。
ミツハシ 随分こだわりますね。
シマジ 師匠のナニを尺八してしまったら、師の権威なんていうものは吹っ飛んでしまう。
ミツハシ それが言いたかったんですか。
シマジ そうだ。だいたい、この尺八の師匠は良くないね。弟子を口説いてベッドに誘おうなんていうのは、生簀の魚を釣るのと一緒だ。何度も言ってきたが、男は山を二つ三つ越えて狩りに出かけなければいけない。強い立場にある師匠が自分の弟子を口説く。そんなお手軽で生ぬるいゲームで満足しているようでは、芸の方もその程度だったんじゃないのかね。
それに引き換え、相談者は立派だ。「恋人の関係では一年持たなくても、師弟関係は一生続く」なんてなかなか言える言葉じゃない。わりない仲になってしまったら、師匠への尊敬の念が薄れることをちゃんと理解していたんだろうね。 尊敬の念の代わりに生まれるのが甘えだ。師匠は弟子を、芸を教え込むべき相手ではなく自分の所有物のように思い、弟子は弟子で、自分を他の弟子たちとは違う特別な存在と考え出す。
こうした甘えの構造を、周囲の人間は敏感に嗅ぎ取るからね。この師匠には他にも女性の弟子が大勢いたはずで、相談者が師匠と男女の仲になれば、それを嗅ぎつけた他の弟子たちから猛烈に嫉妬されただろうね。下手をしたら、相談者の旦那にタレ込む者も出てきたかもしれない。そう考えると、相談者はとても正しい判断をしたと言える。





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