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香山リカ 「アフター311」――震災後の社会マインド――ビジネス

香山リカ:原発事故対応で官邸の無能がさらけ出されたのは、能力の問題だけではなく「過覚醒状態」に指導者が陥ったから(1/7ページ)

2011.06.09

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「過覚醒状態」で下された判断に「課題」が見える

 前回から始まったこの連載では、あの日以来、「アフター311」の心象風景を追う。

 東日本大震災以降、日本社会に大きな精神的変動が起こりつつある。実際に人々の心、そして社会全体の集合的マインドに大きな変化が起こっているのが現在の日本である。震災後の社会マインド変化がどのように表出しているのか、表層への噴出現場を、これから徐々に読み解いていく。

 前回検証したのは、大震災の直後に私たちに訪れた「起き続け、考え続け、ネットで情報を集め続け、語り続ける」という過覚醒状態だった。

 ――なぜ、そうなったのか。

 それは、衝撃や恐怖から精神が崩壊するのを避けるため、心の防衛装置が自動的に作動したからだ。その結果、被災地にいない人たちも、過覚醒状態の中で「私に何ができるか」と考えていち早く行動に移した。

 「それはそれでよかったじゃないか」と思う人もいるかもしれないが、そう判断してしまうのは早計だ。

 過覚醒状態は一種の“心の条件反射”であって、そこで起こされた行動や決断が誤っていることがまま見られるからだ。

 たとえば福島第一原発事故の初期対応に、その典型が見て取れる。少し検証してみよう。

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