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元アップルジャパン社長、山元氏が語る、激動期に外資で働くコツビジネス

日本の地盤沈下が直撃、外資系ビジネスパーソンたちの運命は(1/3ページ)

2011.06.03

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欧米グローバル企業のアジア統括拠点だった日本の地位は急低下し、いまや中国やシンガポール、香港に追い抜かれた。昔なら許された「日本ならではの商習慣、わがまま」は許されなくなり、日本法人で働く外資のビジネスパーソンたちは本社とクライアントの板挟みに苦しむ。

タイトル
山元賢治(やまもと・けんじ)
1983年神戸大学工学部卒、日本IBM株式会社入社。1995年、日本オラクル株式会社へ移籍。その後イーエムシージャパン副社長を経て、2002年日本オラクル株式会社取締役専務執行役員。2004年10月アップルジャパン株式会社代表取締役兼米国アップルコンピュータ社セールス担当バイスプレジデントに就任。2009年9月同社を退社。現在、株式会社myGengo社長、コミュニカ有限会社代表取締役。著書に、就活生、若手ビジネスパーソンに向けて書いた『ハイタッチ 成功する人の働き方のルール』(2010年、日本経済新聞出版社)がある。

日本だけ特別扱いは許されない

 日本がすべての面において「右肩上がり」で成長し、誰の目から見ても市場として魅力を感じた時代には、まさに外資系企業にとっても最も進出したい国でした。今でも世界第3位で留まっている大きな市場であり、外資系企業から見ても極めて優先順位の高いターゲットではありますが、日本の地盤沈下は止まらない状況であることも確かです。東日本大震災により日本離れはさらに加速してしまうかもしれません。

 いま多くの外資系企業では、アジア地区統括本部の地位をシンガポールや中国に譲り、市場としての魅力も中国、インド、東南アジア諸国に及ばない状況になっています。製造拠点ばかりでなく企画・研究・技術開発拠点も日本から撤退し「日本の独特なビジネス習慣への対応」はもはや期待できなくなったと言っても過言ではありません。日本に残されたのは基本的に国内対応の営業拠点です。そこでもかつては市場が世界第2位の大きさで利益率も高かったため許されていた、「日本ならではの特別な事情や言い訳」がもはや許されなくなり、本社とクライアントの間の板挟みが続く状況です。

突然の方針変更が頻発、優秀な人材の確保が困難に

 これだけ縮小しつつある外資系日本法人の仕事ですが、それでも十分に忙しいというのが現場の本音でしょう。かえって過去の「よき時代」よりも今の方が忙しく感じるのではないでしょうか。本社での突然の方針変更や、グローバルとのバランスによる変更など、予測不可能な変化が起こるスピードが昔とはまるで違います。21世紀のネットワーク時代になって、世界の変化はますます加速度を上げてきています。

 一方で、日本法人の社長の権限は、昔と比べるとどんどん小さくなっているかもしれません。実質は営業部長という感じだと思います。さらに本社一括の垂直型のレポートラインが支配的になってきています。日本法人でいったん取りまとめてから本社にレポートを送るのではなく、財務や人事、物流などの各々の部門が独立してそれぞれ本社の部門長にレポートするという直接&垂直型の統治が普通になってきました。日本法人としてのチームワークを確立することすら困難な状況です。たとえば、日本法人の社長の指示よりも、本社の各部門からの指示、命令が最優先で実行されるというケースも多々発生します。

 この統治的支配を続けると優秀なリーダーの確保が難しくなるでしょう。仕事の内容がエキサイティングでワクワクする会社に優秀な人は集まるからです。それが、トラブルや問題処理班としてのレベルの期待に応じた人材の集まりに変貌してきているわけです。いずれにしても、日本法人への期待はここ数年で大きく変貌しました。

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