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猪瀬直樹の「眼からウロコ」ビジネス

猪瀬直樹:脱原発への現実的な代替エネルギーを考える(1/5ページ)

川崎天然ガス発電所を視察、省スペースで高効率発電

2011.05.31

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 原子力発電を減らして行くには、代替エネルギーが必要だ。10年、20年先の将来的な話ではなく、現実的な解決策として、今回は「コンバインドサイクル発電所」を紹介する。

川崎天然ガス発電所の発電効率は58%を実現

 5月23日、原子力発電に代わる天然ガス火力発電とはどういうものかを知るために、川崎天然ガス発電所を視察した。川崎天然ガス発電所は、東京ガスとJX日鉱日石エネルギーが出資して設立した非東電系の発電所で、2008年から営業運転を開始している。

 普通の火力発電所は、水を沸騰させて蒸気をつくり、蒸気タービンを回して発電している。蒸気を使う点では蒸気機関車も同じで、蒸気によってシリンダーを往復運動させ、それを動輪の回転に変える。沸騰水型の原子力発電も蒸気タービンで発電しているから、汽車の時代から原発の時代まで、蒸気のエネルギーを使うという仕組みは基本的に共通していると言える。

 この川崎天然ガス発電所は、蒸気タービンとガスタービンを使った、二重の発電方式を組み合わせる「コンバインドサイクル発電所」だ。まず、液化天然ガス(LNG)を高温で燃焼させ、ガスタービンを回して発電する。さらに、その排熱を利用して水を蒸気に変え、蒸気タービンを回転させて発電する。しかも、蒸気タービンは高圧・中圧・低圧の3つあり、排熱を順々に3回も利用する。1粒で4度もおいしい、非常に賢いやり方である。

 このため発電効率に優れている。おもに蒸気タービンだけを使う東京電力の火力発電所の発電効率の平均は42%だ。100のエネルギーを持つ燃料に対して、4割しか電気を取り出していない。これに対して川崎天然ガス発電所では、ガスタービンで38%、排熱による蒸気タービンで20%、合わせて58%の発電効率を実現している。東電・火力発電所の約1.4倍の高い発電効率となっている。

図では蒸気タービンが1つしか描かれていないが、川崎天然ガス発電所では蒸気タービンが3つあり、高圧蒸気・中圧蒸気・低圧蒸気を3段階で利用する仕組みになっている(資料:川崎天然ガス発電株式会社)
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