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香山リカ 「アフター311」――震災後の社会マインド――ビジネス

香山リカ:「日本は心をひとつにして頑張った」を美化し過ぎるのは「危険」(1/5ページ)

2011.05.26

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震災以来、日本人の集合的マインドのなにかが決定的に変わった

 未曾有。

 つい数か月前までは、この単語を目にした人のほとんどが、「ああ、いつだったか、これを読めなかった人がいたっけ」と笑ったであろう。時の総理がスピーチで「この熟語を読み間違えたのでは」とニュースになったのは、2008年11月。今から2年半ほど前のことだ。

 ところが、今現在「未曾有」という単語を見て、そんなエピソードを連想する人は少ないはず。それよりも3月11日に起きた「未曾有の大震災」が、すぐに頭に浮かぶ。そして、心が締めつけられるように痛くなる。「ほら、あのときには総理が……」と言われても、もはや笑う気にはなれない。

 ――あの日以来、私たちの心は、それまでとは大きく変わってしまったのだ。

 今日から始めるこの連載では、あの日以来、「アフター311」の心象風景を追う。東日本大震災以降、日本社会に大きな精神的変動が起こりつつある。「集合的無意識」を提唱したのはユングだが、実際に人々の心、そして社会全体の集合的マインドに大きな変化が起こっているのが現在の日本である。

 震災後の社会マインド変化がどのように表出しているのか、表層への噴出現場を、これから徐々に読み解いていこう。

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