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風評被害のメカニズムを理解し、自分にできることを考えよう(1/3ページ)

2011.05.20

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(NPO連想出版 新書マップ編集部 川井 龍介)

『風評被害 そのメカニズムを考える』
関谷直也・著
光文社
777円

 リタイア後、長年の夢であるヨットでの世界一周の旅へと出発した知人夫婦が、旅の起点となるスペインで思わぬ事態に遭遇した。現地で、日本から先に送り済みの食料品など、旅に備えた荷物を受け取ろうとしたところ待ったがかかった。

 震災後まもないことで、届いたすべての品物について放射線の検査をしなければ渡せないという。さらにその費用が膨大。海外では手に入らないものだが、結局夫妻はすべてを放棄せざるをえなかったという。今回の地震・津波にともなう原発事故の風評被害は、こんなところまで及んでいた。

 震災そのものも甚大だが、こうした二次的被害が大きいことは、もちろん原発事故にともなう放射能がもたらす不安から来ている。農産物や漁獲物は、検査の結果で安全だと判定された地域の産物でも、市場でほとんど値が付かなかったり、流通過程で忌避されたりすることが相次いでいる。

 先日も宮城県の石巻へ取材へ行ってきたのだが、コウナゴ漁を再開したところ、地元でも漁獲があったのだが、市場では値が付かずこれでは仕方がないと漁を諦めたという。

 こうした問題を風評被害とマスコミでは呼んでいるが、これほど頻繁にこの言葉が使われるのは日本では初めてではないだろうか。第一この言葉が使われ出したのはそれほど昔のことではない。

 では、風評被害とはどんな被害のことをいうのか、そのメカニズムはどうなっているのか。こうした問題意識の元に12年間研究してきた学者による、時宜を得た緊急出版が本書である。メディア報道の特性や、流通の過剰反応による影響など、風評被害といわれるものがもたらされる要因を探っている。

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