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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:福島第一原発で何が起きているのか――米スリーマイル島原発事故より状況は悪い(2/10ページ)

2011.03.15

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バックアップ体制がすべて駄目になり、制御不能に

 現状は福島第一原発に関して全てを放棄して現場を離れるしかない。報道されていないが、中央制御室付近では放射能が高く、作業が極めて危険な状況にある。つまり、制御できないだけでなく、制御しようと人が近づくことさえできない状態にあると見るのが妥当だ。

 この後は、最悪の炉心暴走になって圧力容器が壊れても、大半の核分裂生成物が格納容器内に閉じこめられることを祈るしかない。そういう深刻な状況になっていることをまず理解すべきである。ここに至る経緯では東電の初期動作の失敗や、設計思想の不備、原子炉行政の問題などいろいろあるが、今はそれを論じるべき時ではない。

 これ以上犠牲者を出さないためには現場を放棄し、空からホウ酸を含んだ水の散布などをトライするくらいしか方法がない。恐らく致死量に達していると思われる原子炉周辺に作業員を送り込むことは良識ある判断とは言えない。

 原子力発電所は何重にも安全対策を施したうえで稼働している。しかし、今回の原発事故は、このバックアップ体制がすべて駄目になり、制御不能になったことによって引き起こされている。具体的に言えば、すべての電源が使えなくなってしまったことが一番大きい。

 電源がないのだから、原子炉内の温度がどれくらいなのか、圧力はどの程度なのかも計器から読み取ることができなかったはずだ。おそらく福島第一原発の中央制御室では状況がほとんど把握できていなかっただろうと思う。

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