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林 志行の「現代リスクの基礎知識」ビジネス

林志行:チリ鉱山落盤事故の救出と日本の貢献(1/5ページ)

2010.10.29

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 8月初旬に発生したチリ鉱山での落盤事故で、地下700メートルに閉じ込められていた33人全員が、10月13日に無事救出された。事故発生から17日経過して生存者が見つかったことや、リーダーシップを発揮する作業員が現れて33人が生き残るために食糧の小分けをしたこと、チリ大統領の采配(あるいは政治的な利用)など、様々な面で注目された。救出後もチームの統制は保たれており、メディアでの露出を制限し、回顧録が執筆されるまで沈黙を守るようだ。

 チリの保健省は、33人の生存が確認された翌日、NASA(米航空宇宙局)に協力を要請。長期間、狭い場所に滞在することによる健康面や心理面などへの影響についてアドバイスを求めた。NASAつながりで、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)も消臭下着や宇宙食を提供。そのほかにも、日本製品が数多く現地に提供された。

 一方、救出そのものでは、チリ政府は当初、救出用カプセル「フェニックス」の使用に消極的だったとの証言もある(ピアポ海洋大鉱山学部長のミゲル・フォルト氏、フェニックスの設計者)。また、3本の救出トンネル掘削では、プランBが他を圧倒しており、熟練工が海外から呼び寄せられたことも救出を早めている。

 いくつもの幸運が重なったが、リスクマネジメント上、参考となるケースでもあり、全体を構造化し、整理してみたい。

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