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青島健太 “オヤジ目線”の社会学

新しい仕事には“におい”を消してから臨むべし

 仕事場から歩いて五反田に焼肉を食べに行ったときのことだ。オヤジたちの街としては新橋がその地位を確立しているが、五反田もけっこうイケてる。居酒屋、立ち飲み、ラーメン、ホルモン、そしてスナックやキャバクラと、フルラインアップでオヤジたちを待っている。もちろん、オシャレなイタリアンやフレンチの店なども大通りから入った小道に点在し、若い人たちや女性のニーズにも応えている。

 しかし、五反田の醍醐味(だいごみ)はやはりなんといっても焼肉攻めだ。ニューヨークに行ったら自由の女神を見る。ハワイに行ったらワイキキで買い物をする。五反田に行ったら焼肉を食べる。どれも外せない基本だ。

 飛び込んだ焼肉店は初めて入るところだったが、前から気になっていた店だった。店構えから、「間違いない!」という香りが漂っていた。何がそう思わせるのかは説明し難いが、とにかく店構えがおいしそうな顔をしているのだ。完璧に整理整頓された感じではなく、どこかにスキがあって、肉が本来の大きさをはみ出しているような印象の店構えなのだ。つまり、良い意味で適当な感じがするにおい。それが、腹をすかしたオヤジたちを引き付ける。

 焼肉の場合、おいしさもさることながら、コストパフォーマンスも重要な要素だ。予算が2人で1万円を切れば、東京ではかなり良心的な店といえるだろう。飛び込んだ店は、もちろん味、コストともに、期待を裏切ることはなかった。

店を出るときのこと

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