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大前研一の「産業突然死」時代の人生論


レアアース問題に見る政府のお粗末な交渉力

2010年09月07日  RSS 

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 日中両政府の経済閣僚による「日中ハイレベル経済対話」が8月28日に北京で開かれた。そこで話し合われたテーマの一つが中国産レアアースの輸出制限をめぐるものだった。

 レアアースは、「希土類」とも呼ばれ、スカンジウムやイットリウムといった17種の元素のことだ。二次電池や磁石、コンデンサ、蛍光体などに使われ、最近ではハイブリッド車の電池や省エネ家電の部品生産にも使用されている貴重な材料である。

 “希”土類と書くだけあって流通量の少ない元素であり、しかも中国が生産量の97%を占めている。その中国が環境保全を理由に挙げてレアアースの輸出を大幅に絞り込んでいる。採掘の際に環境に大きな被害を与えることが懸念されるため、と中国は主張している。

体よくあしらわれる日本政府は非常に情けない

 中国からのレアアースが不足すると、日本の産業が大きなダメージを受ける。特に、ハイブリッド車の分野では世界を牽引してきたのだから、レアアースの調達は深刻な問題になる。そこで日本政府はレアアースの輸出制限を緩和するように中国に求めた。当然の要求と言えよう。

 日本政府の言い分は「中国のレアアースの輸出が制限されると、日本だけでなく世界全体が影響を受ける」というもので、これも当然の指摘なのだが、しかしその交渉はとてもお粗末なものだった。

 日本政府は、直嶋正行経済産業大臣や岡田克也外務大臣が直接規制緩和を申し入れた。だが、中国の返事はゼロ回答だった。あっさり断られたのである。交渉のやり方は戦略も戦術もあったものではない。体よくあしらわれているザマは、非常に情けない。

 政府はよその国や地域の交渉術を見習ってほしい。レアアースが不足すると産業に影響が出るのは日本ばかりではない。中国の輸出規制は、日本同様に他の国や地域にとっても回避したい問題のはずだ。

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