
この連載「仕事術の王道」では、「仕事術」のテクニックについては、何も語っていない。むしろ、仕事に取り組む上でのマインドセットのあり方、目標の置き方、手をつけることの選択と集中などについて、述べている。
これらは、企業の経営論にたとえれば、ビジョンといわれる企業の“ありたい姿”、それを達成するための作戦要務令であるミッション、限られた資源配分の中で優先順位を付けていくなどの、戦略の話題が中心になっている。仕事道の上位概念とも言える仕事経営論を、戦術論の仕事術よりはるかに重要だと考えているからである。
手帳マニア
思い出してみると、私のビジネスパーソン人生の中で最大の無駄をした時期が、“戦術的仕事術”の学習にはまっていた頃であった。その当時、システム手帳が我が国に輸入されたりして、ちょっとした仕事術ブームであった。それは、もっと息の長い手帳ブームにつながっていった。
手帳は、それを埋めているだけで仕事がドンドン進んでいくよう気がして気持ちが良い。不安感も激減する。しかし、私の場合、手帳を使いまくったところで仕事の腕が上がった感じがまるでしなかった。それは手帳が悪いのだろうと思い、次々にリフィルを買い換えていった。手帳の収容力に問題ありと思えば、何でもかんでも入れられシステム手帳を買い込んだ。しかし、その手帳は重すぎて使えない。それならばと、薄型のシステム手帳に買い換えたりもした。気が付くと、手帳の収集マニアになっていた。給料もさして高くない若手の時期に、小遣いのほとんどを手帳や手帳活用術の書籍の購入に使っていたような気がする。しかし、一向に仕事が効率化した思い出がない。





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