(奥野 宣之)
「サラリーマンにはなりたかねえ」と尾崎豊が歌ったのが今から25年前。その後、バブルが弾け、ぽかんと口を開けていたらあっけなく20年が過ぎ、今に至る。今後の見通しはいよいよ本格的に暗くなってきた。
団塊ジュニア世代にあたる僕は、このような現代観を持っています。
経済は停滞しているところしか見たことがないし、バブル崩壊後に流行った「幸せさがし」みたいな話にも、あまり感情移入できない。「サラリーマン」という言葉も、空虚な感じしかしない。
しかし、それでも、
「かつてはサラリーマンの黄金時代があった。サラリーマンの代名詞『島耕作』にも、最近ヒットした『働きマン』にも『特命係長』にも、脈々と同じサラリーマンストーリーの血が流れつづけているのだ」
と聞けば、漫画ファンとしては、ワクワクするじゃありませんか。
65年におよぶ「戦後」という時代を「サラリーマン漫画」というメガネで見ると、いったい何が見えるのか。
本書は、漫画という大衆文化の王道が描くサラリーマン像の変遷を通じて、社会構造や世相、社会人の意識の変化を明らかしようとする意欲作です。






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