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あなどれない新書たち

サラリーマン漫画史で社会の変化を理解する

(奥野 宣之)

『サラリーマン漫画の戦後史』
真実 一郎・著
洋泉社
777円

 「サラリーマンにはなりたかねえ」と尾崎豊が歌ったのが今から25年前。その後、バブルが弾け、ぽかんと口を開けていたらあっけなく20年が過ぎ、今に至る。今後の見通しはいよいよ本格的に暗くなってきた。

 団塊ジュニア世代にあたる僕は、このような現代観を持っています。

 経済は停滞しているところしか見たことがないし、バブル崩壊後に流行った「幸せさがし」みたいな話にも、あまり感情移入できない。「サラリーマン」という言葉も、空虚な感じしかしない。

 しかし、それでも、
 「かつてはサラリーマンの黄金時代があった。サラリーマンの代名詞『島耕作』にも、最近ヒットした『働きマン』にも『特命係長』にも、脈々と同じサラリーマンストーリーの血が流れつづけているのだ」
と聞けば、漫画ファンとしては、ワクワクするじゃありませんか。

 65年におよぶ「戦後」という時代を「サラリーマン漫画」というメガネで見ると、いったい何が見えるのか。

 本書は、漫画という大衆文化の王道が描くサラリーマン像の変遷を通じて、社会構造や世相、社会人の意識の変化を明らかしようとする意欲作です。

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