『仕事と日本人』の経済学者、武田晴人さんに聞く(前編)〜「今の時代はニートやフリーターでいいんじゃない」
(取材・文=加藤 レイズナ:フリーライター)
ゆとり世代、1987生まれの駆け出しフリーライターが、業界の大先輩たちに教えを請うインタビューシリーズ。「疑問に感じたことを恐れず真摯に聞くこと」を得物に、プロフェッショナルのことばを引き出し、若い世代と旧世代双方の「やる気」と「希望」をつなぎます。第6回にご登場いただくのは、武田晴人さん。江戸の昔から現代までの経済現象を研究し、教鞭を執る経済学者に、就職体験ゼロの加藤が聞きます。「僕は、なぜ働かなくてはいけないんですか?」
武田さんの『仕事と日本人』拝読しました。江戸時代の人たちの労働時間は日に3、4時間ということを知り、江戸の世界で暮らしてみたくなりました。僕は働くことがいやで、できるなら一生遊んで暮らしていきたいと思っています。就職活動もしたことがありません。したいと思ったこともないです。
いやいや働いていたり、就職するために仕方なく就活をしている友人たちの姿を見て、日本人みんなが楽しく働いていた時代はあったのかと気になりました。なぜ人は働かなくてはいけないのか、楽しく仕事をするために必要なことを教えてください。
アラカルト自体が偏っている

1949年4月11日生。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在は東京大学大学院経済研究科・経済学部教授。近代から現代におけるまでの日本の経済発展のあり方について日々研究している。著書に『仕事と日本人』((ちくま新書)『高度成長』(岩波新書)『日本人の経済観念』(岩波現代文庫)などがある。休日は趣味のゴルフを楽しんでいるそうだが、本当に楽しいのは自分が書きたいものを書いているときだとか。
── 本日は「仕事についての考え方」をいろいろお聞かせください。
武田 はい、加藤さんね。おいくつなの?
── あ、今年で23になります。
武田 私が学校で教えている学生たちと同じくらいですね。
── 就職してれば新卒一年目というところです。でも1年くらいまえからフリーでライターをやっています。
武田 いいねえ、若くて。
── まだまだ日々勉強という感じで(笑)。お子さんと仕事について話したりすることはありますか?
武田 私には息子が二人いてどちらも就職しているんですけど、仕事について真面目に話したことってないんですよね。
── 学生たちと語り合うということは?
武田 うちの学生って、我々のような教授には就職について相談してこないんですよ。もう自分たちで勝手に決めちゃっているの。だから若い人が何を考えているかはよく分からないかな(笑)。
── もっと仕事とはこうだ! 就職とはこうだ! みたいなことをいろいろ議論しているのかと思っていました。
武田 意外とそういう機会がなかったりするんですよ。自分たちで、やりたい仕事は何かなと一所懸命に考えているんです。
── やりたいことが全然見つからないって人も多いと思うんですよ。そうまでして見つけなきゃいけないのかって思ったりもして。うんと大人の人にそう言うと、まず働いてから考えろよとか言われたり。
武田 私が若い子に対して常に思っているのは、やりたい仕事を一所懸命に探しなさいということ。あと、出来れば経済的に自立する。このふたつの条件が満たされていれば十分だと思うんです、
── やりたい仕事もないからとりあえず適当な職場に就職したり、フリーターをしている人がたくさんいますよね。
武田 職業が幅広く選べるようになったから迷っているんだと思うんです。だから、社会が若い子たちに、仕事に対してのお見合い期間を準備してあげないといけないと思います。





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