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林 志行の「現代リスクの基礎知識」ビジネス

林志行:BOPとキャリア形成(6/6ページ)

2010.08.05

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・「やりたいことをマイペースでやる」
 エシカル・ジュエリー(環境や社会貢献に配慮した宝石、他者を犠牲にすることのない宝石)を制作・販売するHASUNAの白木氏は、素材開発から進める。大学の実習で、インドの鉱山を訪れ、過酷な労働環境を知ったことから、BOPビジネスへと傾いた。まずは、不動産投資ファンドで3年働き、ビジネスを覚えるとともに、最初の活動資金を蓄えた。今は、ルワンダ、ベリーズ、コロンビア、ミクロネシアなどから材料を入手する。JICAの元隊員と連携し、現地を指導しながら、職人として独立できるような支援を試みている。女性誌やテレビ番組で取り上げられる機会も増え、自分達の店を構える直前まで来ている。

 HASUNAによるBOPビジネスは、自然体であり、色々な人との連携によって、出来る範囲で続けながら、少しずつ自分達が成長し、その活動を通し、多くの人が幸せを感じるよう展開されている。ウェディング・ジュエリーも提供しており、カップルの幸せのお裾分けと、現地素材を活かした、それぞれの地域の文化を残す工夫を行っているようである。「なんとなく援助、支援という気持ちがあったが、職人魂が、年月を追うごとに高まっていることが嬉しい」と語る白木氏の言葉が印象的でもある。

■変更履歴
本文中で紹介した人物の意向を反映し、下記のように変更しました。
<2ページ第3段落を差し替え>
「同じポンプや水を課題とし、灌漑ビジネスを立ち上げたのは、世界銀行の金平氏だ(元マッキンゼー)。トラクターなど現地仕様の車をソーラーカーに改造し、水の管理場所まで走らせ、ソーラーバッテリーでポンプを回し、水をくみ出すことで、農業支援を行うという事業である。彼は前職の時からこのビジネスを始め、昼間は本業(経営戦略コンサルタント)で稼ぎ、夜は国際貢献としてもうひとつの汗をかいていたが、その後、転職し、今は世界銀行の立場から、昼と夜のシナジーを上げている。」

「同じポンプや水を課題とし、灌漑ビジネスを企画しているのは、マッキンゼーの金平氏だ。灌漑に使われるディーゼル燃料をソーラーに置き換え、電気自動車で使い終えた電池にエネルギーを貯め、井戸の間を移動しながらポンプを回して水をくみ出すことで農業支援を行うという事業である。彼は昼間の本業(経営戦略コンサルタント)の傍ら、夜に国際貢献としてもうひとつの汗をかいていたが、今後、世界銀行に転職し、昼と夜のシナジーを上げていく予定だ」
<5ページ小見出し>
「昼のお仕事、夜のお仕事」→「昼の仕事、夜の仕事」
<上記小見出しの下の段落>
「灌漑ビジネスに従事する、前述の世界銀行の金平氏は、本業とは別にBOPに取り組むことを称した「夜のお仕事」を提唱していた。」

「灌漑ビジネスを企画する、前述のマッキンゼーの金平氏は、本業とは別にBOPに取り組むことを称した「夜の仕事」を提唱していた。」
[2010/08/09]
林 志行(りん・しこう)
林 志行(りん・しこう)

 早稲田大学大学院教授。外交官の父と各地を転々。日中英台・4カ国語を操る。専門は、リスクマネジメント、アジア情勢分析、国際ものづくり戦略。シンクタンクにおいて、調査研究、企業コンサルティングに従事。2003年1月、国際戦略デザイン研究所を設立、代表取締役に就任。2004年より美ら島沖縄大使。沖縄金融特区(キャプティブ導入)の発案者、ITリゾートの提唱者として知られる。2006年より東京農工大学大学院教授を兼務。2010年より、早稲田大学大学院経営デザイン専攻教授に着任。政府の各種委員を務める。経済誌、新聞各紙にて連載を持つ。近著に「マザー工場戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)「事例で学ぶリスクリテラシー入門」(日経BP)「自分イノベーション」(技術評論社)、など。日々の活動は、ツイッタ−「linsbar」に詳しい。

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