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林 志行の「現代リスクの基礎知識」ビジネス

林志行:BOPとキャリア形成(3/6ページ)

2010.08.05

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・普及期に向け
 ただし、BOPにビジネスが結びついたことで、あるいはBOPビジネスでの成功例が注目されるにつれ、その意義を理解せずに、形から入るケースも出てこよう。環境ビジネスでも一時期見られたように、なんでもかんでもBOPの名前を冠にし、流行だからと右にならえで参入すると、ツイッターの流行を利用して顧客を囲い込もうとした企業のサイトが炎上したような、思わぬ落とし穴も想定されよう。

 また、一口にBOPビジネスと言っても、その手法はケースバイケースで多岐にわたる。例えば、同じポンプ事業によるBOP支援でも、取り組んでいる企業や組織、個人によってタイプは様々だ。自社のポンプを売り込み、さらに収穫が増大するようなナレッジ付加(ソリューション)型もあれば、現地のものをありったけ使い、問題解決を目指すローテク(発想の転換)型もある。

 一方、BOPビジネスが、本業の幅を広げるのに貢献することも考えられる。上記のポンプ事業のケースで言えば、前者は、脱ガラパゴスへのきっかけとなる。そのためには、必要以上に頑丈で高価な部品、さらには従業員などの給与をどう低減させていくか、事業拡大に向け、ビジネスモデルの組み換えが不可欠となる。

 後者では、電気や水の確保が不十分、あるいは舗装されていない道路、猛暑や埃、もともとの習慣の違いなどに戸惑った経験が、日本国内において首都直下地震など、災害時に威力を発揮する可能性は高い。

 BOPビジネスは今後、ユニクロの参入をきっかけに、さらに広がりを見せるであろう。三洋電機は、ガイア・イニシアティブなどのNPOと組みながら、ソーラーランタンの開発などで先行していたが、パナソニックが完全子会社化に動くことで、さらに次のステージへと進む可能性がある。経済産業省が昨年来その可能性に言及し、いくつかの大学では、BOPプログラムの開発や、MITのD-Labのような組織作りへの取り組みが進んでいる。

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