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林 志行の「現代リスクの基礎知識」ビジネス

林志行:BOPとキャリア形成(2/6ページ)

2010.08.05

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・キャリアパスへの試み
 もうひとつの特徴は、BOPビジネスをキャリアパスの一つにしようとする若手、起業を目指すビジネスパーソンらの動きである。

 例えば、自分の仕事の一環として、BOPビジネスを通し市場を開拓することで、キャリアアップを実現するケース。ヤマハ発動機の西嶋氏は、セネガルでウォーターポンプ事業に取り組む際、壊れやすくても格安の中国製品に比べ、性能が良くても割高の日本製ポンプを使ってもらうために、収穫(収益)を上げる方法を考えて提案型営業を始め、顧客を獲得したという。つまり、セネガルでビジネスへの最初のきっかけをつかんだようだ(日本能率協会主催のシンポジウムでの本人談)。

 同じポンプや水を課題とし、灌漑ビジネスを企画しているのは、マッキンゼーの金平氏だ。灌漑に使われるディーゼル燃料をソーラーに置き換え、電気自動車で使い終えた電池にエネルギーを貯め、井戸の間を移動しながらポンプを回して水をくみ出すことで農業支援を行うという事業である。彼は昼間の本業(経営戦略コンサルタント)の傍ら、夜に国際貢献としてもうひとつの汗をかいていたが、今後、世界銀行に転職し、昼と夜のシナジーを上げていく予定だ。

 そうしたパイオニアらの活躍を見て、次に続けと、大学生、大学院生、国際貢献の経験を持つJICA隊員などが、国際機関勤務に向けたステップアップの場としてBOPに注目し、良い意味での人材の還流が見え始めている。

 情報交換の場も増えており、日本能率協会では、理工系大学生にBOPビジネスの意義を問いかけるジンポジウム(東京ビッグサイト、7月21日)を開催した。また、国連フォーラムは、Club JPOやワシントンDC開発フォーラムと合同開催のオフ会で、国際協力分野への転職・就職・留学を目指す社会人や学生などの交流の場を設けた(JICA地球ひろば、8月1日)。

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