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大前研一の「産業突然死」時代の人生論


英キャメロン首相の「大きな社会」構想に注目

2010年08月04日  RSS 

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 いまや世界のほとんどの国が財政難に直面している。ヨーロッパ各国はギリシャ危機以降、この問題に厳しく取り組む姿勢を見せており、ギリシャやスペインなどは赤字削減に向けたシビアな対策を発表済みだ。そして最近、新たな動きを見せたのはドイツとイギリスである。

経済が好調の中でも緊縮財政へ向かうドイツ

 ドイツのメルケル首相は7月21日、緊縮財政政策について「痛みを伴うが、実施すれば危機からいち早く脱出できる」と強調した。2009年秋に発足した連立与党は支持率が低下し、連邦参議院(上院)では過半数を失っているが、日本と同様な「ねじれ国会」を乗り切るため、あえて難題に果敢に取り組む姿勢を見せた。

 「緊縮財政をする」と言っても、ドイツの財政状況は日本よりもはるかに良い。しかも、ユーロ安で輸出が勢いづいているため、現在のドイツ経済は好調に推移している。にもかかわらず、緊縮財政に挑むもう一つの理由は、ヨーロッパの他の国の模範になるためだ。欧州連合(EU)経済を支えるドイツが先駆けて緊縮財政策を打ち出すことで、バラマキ政策で国民の人気を取っているような国を牽制しているのである。

 ギリシャ危機の本質は政府のバラマキ政策にあった。政治家は票を集めるために口当たりのいい政策に金を注ぎ、財源もないのに雇用を創出すると言って公務員を増やして放漫な政治を行ってきた。当然、借金は膨れ上がり、ギリシャ経済は疲弊しきってしまった。そのギリシャをドイツが支援したわけだが、ドイツ国民は「ギリシャはいい加減なバラマキ政治をするから危なくなるのであって、なぜドイツが助けなくてはいけないのか」という不満を抱いている。その不満がメルケル首相および連立与党の支持率を下げているのだ。

 メルケル首相の支持率は40%を切るあたりまで落ちている。ドイツでは30%台になるとかなり危機的な状態と言われる。しかし現状を見渡すと、ドイツにはメルケル首相に代わる人材がいない。しばらくはメルケル首相の一人舞台が続くだろう。

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