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芦田宏直の「ストック情報武装化論」ビジネス

情報武装化論:第6回 人工知能と機能主義の諸問題(2)(1/11ページ)

「開放性」の二つの意味

2010.08.04

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フィードバック制御は、「実際の行動」に「臨機応変」に対応する

 機械(人工知能)が人間ではないとする考え方の基本は、大概の場合、機械が「臨機応変」ではないというところから来ている。

 サイバネティクス(cybernetics)を源流とするシステム論の立場で言えば、それはオープンシステム(開かれたシステム)か、クロ-ズドなシステム(閉じたシステム)かの違いになる。

 機械は外部の変化に対して「閉じている」が、人間は「開かれている」というものだ。

 しかし、サイバネティクスの創始者 N.ウィーナーは、「機械を予定の行動によってではなく、実際の行動に基づいて制御すること」(『人間機械論』)と言っている。これが、いまや日常語にもなっている「フィードバック」制御の基本思想である。

 たとえば、通常、機械は「予定」できない諸変化に対して“人間のように”“臨機応変”に対応できないと考えられている。

 しかし〈自動ドア〉は、いつ来るかわからない入場者に対して“臨機応変”にドアを開けたり、閉めたりすることができる。

 つまり“彼”は、入場者の「実際の行動」に基づいてドアを開け閉めできる。

 なるほど機械もまた間違ってドアを開け閉めすることがあるかもしれないが、それはしかし人間もまた必ずしも常に臨機応変でないことに「並行」した事態であるにすぎない。

 「実際の行動」という言い方において、ウィーナーは人間=機械の開放性(openness)について語ろうとしているのである。

 そして、この「実際の行動」に対応できるかどうかが、「オープン」なシステムかどうかの鍵を握っている。

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