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スキルアップ最前線ビジネス

現場を変える2つの思考法[解答編](1/4ページ)

超実践 思考術 100問誌上トレーニング【2】読者と同世代のコンサルタントが熱血指導

2010.08.03

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前回は問題を出題したところで終わった。今回は読者3人の解答と石井さんの解答例を見ていこう。

石川英明さん
Hideaki Ishikawa
コーデュケーション代表
2001年から、外資系コンサルティングファームに勤務。2005年に人材紹介ベンチャーなどを経て、2008年にコーデュケーションを設立。エグゼクティブコーチング、企業研修、就職スクール運営などに従事。
http://career.co-ducation.com/
読者代表
増井健人さん
シンクタンク SE
今年の春に入社したばかり。現在、新入社員研修中で、配属先は未定だ。思考術への苦手意識はないが、ビジネス経験が少ないため、「多少、論理先行になりがち」だと認識している。
杉本禎浩さん
不動産会社 経理
2006年入社。1200日以上、読書ブログを更新し続ける、自称「読書王子」。思考のフレームワークは、「本で読んだが、実践する場面がなかった。役立つものかどうか、現時点では半信半疑」(杉本さん)。
温井絵美さん
陸運業 経営企画部
2004年入社。入社2年目から、経営企画部に在籍。現在、自社の中期経営計画を作成中。「思考術を体系立てて学んだことがないので、これを機会に使いこなせるようになりたい」と意気込む。

 「皆さん大健闘。初めてにしてはとても上出来でした」(石川さん)。でも個別の講評は辛口だ。

 増井さんには、「社会経験が浅く、現実に即した発想が弱い。今後、SEとして場数を踏んで、そこを鍛えよう」(石川さん)。杉本さんには、「シナリオはよくできているが、システム図は甘い。練習を続けること」(石川さん)。温井さんには、「システム図もシナリオも総花的になってしまった。経営戦略担当にありがちな“脱・現場”感が気になる。『論理的に正しいから実施する』というのは、現場には理解されない。現場の話を聞き、正しいことを“実現”する力をつけてほしい」(石川さん)とのこと。

 読者に感想を聞くと、「私にとっては自分の思考が戦略に偏っていることが、一番の気づき。人によって偏るポイントが違う。互いにそれを知れば、誤解も減ると思う」(増井さん)。「独自のシナリオを書いて、社内コミュニケーションに活用したい」(杉本さん)。

 温井さんは「あまりうまくできなかった」と反省顔。最初にイメージしたシステム図に縛られ、自由に書き広げることができなかったようだ。

増井さんの解答
● 読者の解答1
変数を洗い出し、システム図を描いてみよう。(所要時間20分)
最初に業界の動向を洗い直し、そのうえで、どうすれば勝ち組になれるか、強みに絞って考よう。
[画像のクリックで拡大表示]
● 読者の解答2
システム図を基に、Goodシナリオを書いてみよう。(所要時間20分)

 競合の状況を分析すると、リーマンショックの後も、通信系やネットベンチャーなど、特定の業界ではビジネスが成長していることが分かった。成功企業は、開発スピードなど、価格以外の強みがあった。また、都市部の競争率が高いので、地方に進出すれば競争に勝てるのではないかと考えた。

 そこで、「地方のベンチャー企業へのサービス×スピーディーな開発」を自社の強みにする戦略を練った。
 システム開発で売り上げを伸ばしていくために、社内の「人数」「技術」「時間」の3つのリソースに注目した。その中でも特に「人数」と「技術」を高めようと考えた。そこでまず、人材を、「営業」「技術力のあるSE」「技術力のないSE」に分け、「営業」と「技術力のないSE」には「海外の優秀な人材」をリクルートする業務に当たってもらい、「技術力のあるSE」と「海外の優秀な人材」には開発に専念してもらうことにした。こうして「人数」と「技術力」を高めた。

 顧客企業を絞り込み、利益率を高め、手にした余剰資金を海外人材のリクルーティングの費用に充てた。
 その結果、実績も上がり、評判もうなぎ登りとなった。

● 講評 (石川さんによる評価表)
システム図を描いて、問題をとことん解明すること!
ハマりポイント (1) システム図
意味不明な変数や線がある一方、必要な線が描けていない
「消費の縮小」から「中国・インドが日本人をヘッドハンティング」に矢印が出ているが、これは直接は関係のない変数。また、「安価、娯楽、ベンチャー↑」という変数は意味不明。自分の中では理解できているのかもしれないが、システム図は誰が見ても理解できるくらい、分かりやすく、説得力のあるものにすること。

ハマりポイント (2) シナリオ
“シナリオ”の形になっていない
戦略は書かれているが、それを実現するためにどう動くかという、自分を含めた登場人物の具体的な行動が書かれていない。入社したばかりで、ビジネス経験がほとんどないことが原因だろう。

ハマりポイント (3) シナリオ
コスト感覚が弱い
競争力を高めるために、「海外の優秀な人材」を採用する、という案を出していたが、そのコストがどこから出てくるのかが不明だった。新しい策を講じる際は、いくばくかのコストが発生する。これはビジネス経験のある人でも、意外と見落としがち。コストの出所をいつも意識しよう。
【ここは良かった】
システム図:開発の失敗が評判を下げ、それがさらに営業を難しくしているというループを描けている。「営業だけが悪い」「SEだけが悪い」ではないことに気づくことができている好例。
シナリオ:業界の状況や競合の成功要因を、ロジカルに分析できた。
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