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現場を変える2つの思考法(3/3ページ)

超実践 思考術 100問誌上トレーニング【1】読者と同世代のコンサルタントが熱血指導

2010.07.27

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問題にチャレンジ!!

状況設定
あなたは以下の問題に登場する、システム開発を手がけるX社の経営改革チームの一員だ。 まずは、X社の現状を説明している(1)~(4)を読んでみよう。

(1) 業界の概況

 リーマンショック以後、X社の顧客企業は、揃ってシステム投資への予算を大幅に削減した。その予算額は、徐々に回復しているものの、以前の状況には戻っていない。
 業界では、売り上げを確保するための価格競争がしばらく続いたため、緩やかだった単価の落ち方が、急激になってしまった。
 中国やインドのIT企業が、日本人のエンジニアをヘッドハンティングしたり、日本語教育を進め、日本国内でのサービスを充実させているため、海外企業との価格競争も激化している。以前は言語の壁があり、オフショア開発(海外での開発)も、それほど進展していなかった。だが、X社の顧客企業内でも、英語を使いこなす人材が増えて、海外の企業に発注してしまうケースも増えている。
 サービス内容で差別化することが難しく、顧客がシステム投資予算を減らしていることも相まって、価格競争は激しくなるばかりだ。

(2) 主な競合の動き

・最大手A社は、政府系や金融系、通信系などとのパイプが太く、ビジネスは堅調。金融系のプロジェクトは減っているが、通信系の勢いはあり、競合他社が不況にあえぐ中、売り上げや利益を微減といったレベルにとどめている。
・独立系B社は、値下げをし、利益率は大幅に下がったが、SE(システムエンジニア)の稼働量は確保している。
・メーカー系C社は、親会社からの発注量が減っている。元から営業力が弱く、外販事業では大変苦戦している。全社の業績は、前年比で創業以来最大の下げ幅となった。
・中堅D社は、最先端技術を使った開発手法を率先して取り入れ、納品までのスピードを武器にしている。インターネット系の顧客企業とのビジネスを中心に、着実に業績を伸ばしている。

(3) 主要顧客の動き

・X社から他社に乗り換えることもできるため、顧客の交渉力は極めて高い。顧客企業はほとんどが、低予算を重視している。現在使っているシステムの運用コストも削減したいようだ。クラウドへの移行などもよく話題に上る。
・コスト削減に明確に寄与するようなプロジェクトは受注しやすいが、間接的な効果しか見えない提案は通りにくい。以前にも増して、投資対効果の説明を明確に要求してくる顧客が増えている。

(4) 社内の動き

・X社は得意業界を限定していない。「業界にこだわらず、あらゆるシステムを開発する」というスタンスだ。
・営業部は、厳しい環境の中、「何とか受注を取ろう」と必死だが、顧客から「短納期、低単価、高品質」を突き付けられ、毎回、相見積もり、コンペになってしまい、大変苦しんでいる。営業機会は減っているが、新規受注のために走り回り、多忙を極めている。スケジュールや要望のきつい受注が多く、開発段階でのトラブルにつながって、顧客からの継続受注が難しくなっている。
・SEの仕事は、受注したシステムを開発して納品すること。しかし、営業時点で無理なスケジュールが組まれている場合が多い。また、ITに疎い顧客も多く、開発をスタートさせた後、要求変更がよく発生する。受注時の契約では詳細の詰めが甘く、これを制御するのは大変難しい。結局、顧客の要望をのんで、SEの稼働が逼迫し、徹夜続きになることも多い。
・数年前に、コスト削減の一環として、プログラム開発部分を外注していた時期があった。そのため、その頃に会社に入社した(現在の5~10 年目の)SEは技術力を磨く機会が少なかった。その結果、技術力のないSEがプロジェクト中にトラブルを起こすことも多く、それによって稼働が逼迫しているという面もある。
・また。ノウハウの蓄積が属人的であり、似たような問題が複数のプロジェクトで起きたり、続けて起きたりすることも多い。これまでも何度か社内で共通基盤を作ろうとしてきたが、すぐに形骸化してしまい、機能させることができなかった。
SE:「営業が無理な受注をするから、顧客に対して、ちゃんとした納品ができないんだ。もともと無理のある案件が多すぎる。その結果、顧客から信頼もされず、継続案件にも結びつかず、大変さが増すばかりだ」
営業:「『営業が無理な受注をするから大変になる』とSEは言うが、我が社の状況では、無理しなければ受注できないんだ」
問題
売り上げは昨年比で1割ほど減少し、利益率も悪化している。
さて、経営改革チームのあなたはどうするか?

この問題にチャレンジするのは、下記の三人。どんな回答を導き出すか。次週へ続く

読者代表
増井健人さん
シンクタンク SE
今年の春に入社したばかり。現在、新入社員研修中で、配属先は未定だ。思考術への苦手意識はないが、ビジネス経験が少ないため、「多少、論理先行になりがち」だと認識している。
杉本禎浩さん
不動産会社 経理
2006年入社。1200日以上、読書ブログを更新し続ける、自称「読書王子」。思考のフレームワークは、「本で読んだが、実践する場面がなかった。役立つものかどうか、現時点では半信半疑」(杉本さん)。
温井絵美さん
陸運業 経営企画部
2004年入社。入社2年目から、経営企画部に在籍。現在、自社の中期経営計画を作成中。「思考術を体系立てて学んだことがないので、これを機会に使いこなせるようになりたい」と意気込む。
日経ビジネスアソシエ

超実践 思考術 100問誌上トレーニング
日経ビジネスアソシエ8月3日・8月17日合併号

この記事は、7月20日に発売した日経ビジネスアソシエ8月3日・8月17日合併号の特集「超実践 思考術 100問誌上トレーニング」の内容を一部抜粋・加筆して再構成しました。


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