<今週のロスジェネ既婚男>
年齢:34歳
結婚年齢:25歳
仕事:大工
世帯年収:700万円
家族構成:妻、娘二人

 幼馴染の一人が大工をしている。山田浩次(仮名、34歳)だ。昔は「スカした憎らしいスポーツマン」という印象しかなかったが、30歳を過ぎた頃から仲間と一緒に飲み交わすようになった。お互いフリーランスだからなのか、仕事の苦労話などを共有しやすい。意地の張り合いも少なくなった。加齢の効用、というのだろうか。

 電話でインタビューを申し込むと、「その記事、噂は聞いていたよ。オレには声をかけてくれないのかな、と思ってた」と嬉しい返事をしてくれた。いや、だってさ、お前とはサシで飲んだことはないから気恥ずかしいじゃん…。

 僕たちの地元・久米川(東村山市の繁華街です)にニッカボッカ姿で現れた山田を、八丈島料理店「ながしま」に誘い、刺身や海老しんじょうでビールを飲みながら話を聞くことにした。

大宮(以下、O) 平日なのにつき合わせて悪いな。
山田(以下、Y) 
全然。日曜日はずっと寝ていたいから、飲みに行くのは平日のほうがいいよ。朝まで飲んで、直接現場に行くこともある。車で寝るのも慣れた。

O 土曜日も仕事なの?
Y 
そうだよ。最近はご近所さんがうるさくなったので、朝早くから仕事をすると苦情が来ることが多いけどね。

親方業もラクじゃないよ…

O 仕事はどうやってもらってるの?
Y 
一つの工務店からの仕事がほとんどだね。専属っていうのかな。社員ではないから、仕事がなかったら金ももらえないけど。若い衆の日当だって親方のオレが出してる。

O 若い衆? 弟子のことか。何人雇ってるの?
Y 
一人だよ。義理のある人から頼まれてね。本当は一人でやりたいんだけど、仕方ないだろ。大工は他の職人と違って、一人で働けるところがいいんだよ。作ったものが残るしね。最初に建設業界に入ったときは、マンションの土台で使うコンクリートを流し込む木枠を作る職人をやっていた。あの仕事は一人じゃできないし、最後には枠を壊さなくちゃいけない。オレは嫌だった。