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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:新成長戦略は来年度予算のバラマキリストだ(1/5ページ)

2010.06.28

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 政府は6月18日、今後10年間の経済運営の指針となる「新成長戦略」を閣議決定した。医療や介護、環境などの分野で雇用と需要を創出し、国内総生産(GDP)を1%以上押し上げることを目標に掲げた。だが、その中身を読んでみると、「?」と思わざるを得ない内容になっている。

外国人患者を日本で受け入れられるのか

 まずは新成長戦略の概略を押さえておこう。

 私は「これらがなぜ成長戦略になるのか」という疑問を拭うことができない。「成長戦略」と言うからには、当然、経済のパイを拡大することが求められるはずだ。しかし、この中に書かれている項目をすべて実現できたとしても、一体どれだけの効果があるだろうか。

 例えば「健康(医療・介護)」の項目には、「外国人患者の受け入れ等国際医療交流」とある。先進医療国である日本として外国人患者を迎え入れて治療し、ついでに観光も楽しんでもらおうというわけだ。いわゆる「メディカルツーリズム」である。

 メディカルツーリズムの本場と言えばインドだが(このあたりの事情については過去の当連載を参照)、その医師余りのインドがあれだけ力を入れてメディカルツーリズムに取り組んでも産業規模は1000億円程度にしかなっていない。今さら日本がメディカルツーリズムを振興しようとして、どれだけの経済効果が見込めるというのだろうか。

 それに、現時点で日本は医者不足に悩まされていることを忘れてはいけない。言葉の壁の問題も大きいだろう。外国から患者を受け入れること自体は問題あるまいが、その体制をどのように構築するか、そして経済をどう拡大するかという視点が欠けているのではないだろうか。

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