<今週のロスジェネ既婚男>
年齢:33歳
結婚年齢:27歳
仕事:ITベンチャー役員
世帯年収:1700万円
家族構成:妻、息子1人
学生の頃、ITバブルと呼ばれた一時期があった。鼻息の荒かった僕は学生雑誌の取材と称してベンチャー企業家やベンチャーキャピタリストに会いに行き、自分まで経営者になった気分に浸ったものだ。株式公開で一儲けした「IT長者」の噂も身近に聞いて興奮した。
当時からベンチャー企業で働いていた後輩がいる。北村秀樹(仮名、33歳)は、よく言えばエネルギッシュ、悪く言えば落ち着きのない男だ。大学卒業後も一つの会社に腰をすえることはなく、聞くたびに所属や住所が変わっている。現在は、アジア全域でビジネスを展開する外資系IT企業で「雇われ経営者」をしているという。赤坂の宮崎料理店「でんでんでん」で待ち合わせすると、約束の時間から10分ほど遅れてiPhoneをいじりながら北村がやってきた。
大宮(以下、O) よう、久しぶりだね。
北村(以下、K) すみません! 先輩をずいぶんお待たせしちゃって…。いやー、申し訳ない。
O 問題ないよ。相変わらず体育会系だね。でも、風貌は胡散臭い(笑)。怪しげなスカウトマンかと思ったよ。仕事はどう?
K 順調ですよ。(iPhoneの画面を見せて)これがうちの商品なんですけど、どこか出版社に売り込めませんか? 雑誌の特集で取り上げてくれるとうれしいです。
O プレスリリースを送ってくれれば預かっておくよ。俺には何の力もないけどね。北村くんは広報も担当しているの?
K 僕は経営陣の一人なので何でもやりますよ。いま、ライバル会社とシェア争いをしているんです。日本市場ではもう少しでトップに立てるんだけどな〜。
出会いは「国際合コン」でした
O 楽しそうだね。
K 強大な敵にあの手この手で挑んでいくのはすごく楽しいですね。燃えます。寝なくてもいいぐらい。会社のサイズが小さいので、若い僕たちがどんどん意思決定できます。鈍重な大企業組織とは違いますよ。報酬も十分もらってますけど、正直言って金はどうでもいい。うちは家族3人で郊外のマンションに住んでます。家賃13万円ですよ。慎ましいでしょう。畳の部屋で川の字になって寝てますからね。






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