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ゆとり世代、業界の大先輩に教えを請う

NHKの梅津アナ(ことばおじさん)に聞く(後編)
「若者の日本語能力低下は大人の責任です」

(取材・文=加藤 レイズナ:フリーライター)

 ゆとり世代、22歳の駆け出しフリーライターが、業界の大先輩たちに教えを請うインタビューシリーズ。前回に引き続き、「ことばおじさん」の愛称で人気のNHKアナウンサー、梅津正樹さんに最近の若者ことばや敬語などを中心にお伺いしました。

 前回から読む方はこちらから。

「日本語が難しい」は嘘、外国人は5週間でマスター!?

梅津正樹(うめづ・まさき)
1948年10月1日生。東京都荒川区出身。NHKエグゼクティブアナウンサー、獨協大学非常勤講師。獨協大学法学部卒業。小さいころのラジオのオリンピック中継と、浪人時代に聴いた愛川欽也の「パックインミュージック」がきっかけでアナウンサーを目指し、1972年、NHKに入社。報道、教養番組などを担当。現在は「ことばおじさん」として、正しい日本語、日本語の面白さを広めるべく活動中。現在出演中の番組に「みんなでニホンGO!」「お元気ですか日本列島」(NHK総合テレビジョン)過去の主な出演番組に「ことばおじさんのナットク日本語塾」など。著書に『NHKことばおじさんのナットク日本語塾』(NHKサービスセンター)『ことばおじさんの気になることば』(生活人新書)がある。大の甘党で、中でもチョコレートには目がないとか。

梅津 若い人は敬語が使えない! とご年配の方が叱りますが、原因は親にあるんですよ。

── 自分の親にですか?

梅津 はい、敬語にはルールがありますが、ルールをどんなに勉強しても敬語は使えないのです。言葉は身体で覚えるしかないんですよ。例えば、バットもグローブも持ったことがない人が野球入門書を読んだってうまくなるはずがないじゃないですか。

── 自分で動いて、トレーニングをしていかないとだめなんですね。

梅津 そうなんです……。敬語は学校で教えるわけではありません。小さいときから親が敬語を使っているのをそばで聞いていて、あ、学校の先生にはこういう言い方をしたのに、隣のおじさんにはこういう言い方をするんだ、ということを自然に覚えて、自分で使うことで、初めて自分のものになるんですね。



── いきなり敬語はこう使えと教えられてもすぐには使えないですね。

梅津 でしょう? 今の若い人たちが使えないのは、親など大人の世代が、敬語を聞かせる環境に置かなかったからだと私は思っているんですよ。だから若い人の責任ではないと思います。

── このままいけば今の若い人が親の世代になったときに言葉はもっと崩れるということですよね。

梅津 そういうことです。でもみんなが敬語を知らなければそれはそれで済むんですよ。なぜ今、これだけ言葉が問題になっているかというと、今までの伝統的な言葉と、新しい言葉の表現がせめぎ合っているからなんですね。だからみんな混乱しているんです。

── 新旧入り混じっている状態なんですね。

梅津 今までの伝統的な、慣用的な言い方をしていた人たちがいなくなれば、オッケーですよ(笑)。私が言うのもなんですが、言葉はみんなで間違えれば怖くないんです。

── オッケーですか! みんなが使っていれば、それが正解になりますからね(笑)。

梅津 そういうことです。例えば、「早急」は本来「さっきゅう」としか読まないのに「そうきゅう」と読む人が80%を越えているんです。

── そんなに多いんですか! 私は20%のほうでよかった。

梅津 もう辞書にも載っていて、私たちがテレビで「そうきゅう」と言っても文句は来ないんです。逆に、99%が間違って1%が正しく使っていても、「あいつは間違っている」と言われるんですよ。

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