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フードバンク ~食品ロスと福祉問題を同時に解決する試み(1/4ページ)

2010.05.21

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

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イラスト:小林大樹

 傷みもなく、まだ食べることができるのに捨てられてしまう食品と、運営基盤が脆弱(ぜいじゃく)なため、食料の調達に苦しむ福祉団体を結び付けようとする取り組みがある。1960年代に米国で創始した「フードバンク」(food bank)という仕組みだ。食品の製造業者などから食品の寄付を受けて、これを困っている福祉団体に分配する。日本でも2000年代以降に取り組みが拡大しており、その役割に期待する声も高まっている。

 日本では毎年約1900万トンの食品廃棄物が発生している。その中の約500~900万トンは、食べられるのに捨てられている「食品ロス」に相当するという。家庭での食べ残し、小売店や外食での売れ残りや規格外品などが、食品としての機能を全うすることなく廃棄されている。

 よく知られるように、日本の食料自給率はカロリーベースで約40%に過ぎない。つまり食料の多くを輸入に頼っている。もちろん食料自給率のあるべき姿については様々な見解が存在する。食に関する問題は複雑に絡み合っているため「単に自給率を高めれば良い」といった話にはなりにくい。とはいえ「食品を無駄なく使うことの重要性」については異論がないだろう。

 その一方で、食料が必要でありながらその確保が困難な立場も存在する。例えばホームレスの支援団体、高齢者や障害者などの生活困難者に対する支援団体、ドメスティックバイオレンスのシェルター(暴力からの避難・隔離を目的とした支援施設)などがそうだ。これらの施設の多くは財政基盤が脆弱であるため、食料をはじめとする物資の確保が難しい。

 この食品ロスと福祉の問題を結び付け、その解決を図ろうとする取り組みが「フードバンク」だ。

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