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真壁昭夫「“100年に一度”時代のお金の貯め方・殖やし方」ビジネス

ユーロが消滅する日(1/2ページ)

2010.05.25

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 足元で、ギリシャ問題の波紋が一段と拡大しています。経済専門家の中には、「いずれ、ユーロが消滅する日が来るだろう」と指摘する悲観的な見方があります。確かに、単一通貨であるユーロには、これから片付けなければならない点がいくつもあり、これからも、厳しい状況が続くこと予想されます。世界の金融市場も、まだ直ぐに安定した展開になることは考え難いでしょう。

 ギリシャをきっかけにした、ユーロの波紋がこれほどまでに拡大した背景には、ユーロが抱える本源的な問題があります。それは、同一通貨であるユーロの本源的な欠陥です。ユーロ圏16カ国は、それぞれ、生産性や物価の変動率、経済の規模や構造が大きく異なっています。それにも拘らず、16カ国は単一通貨であるユーロを使い、ECB(欧州中央銀行)が決める単一の政策金利によって経済運営を行っています。そこには、元々、大きな無理があるのです。

 国が、独立した通貨や金融政策を持っていれば、当該国の経済状況にあわせて経済政策を打つことができます。ところが、為替レートや金融政策が、ユーロ圏全体の経済状況にしたがって決められることになると、個別国の事情は殆ど反映されないことになります。それがギリシャの信用不安問題を顕在化させ、財政悪化の“負の連鎖”の格好で、ポルトガル、スペインなどの諸国にまで懸念を広げてしまった原因と考えられます。

 もう一つ忘れてはならないことは、バブルの後始末が財政悪化という格好で、経済基盤の脆弱な南欧諸国で露呈したことです。現在、ユーロは、ギリシャからポルトガル、スペインなどの「デフォルト連鎖」の懸念を抱えており、ユーロ圏の経済がその重みに耐えられるか、そして、世界経済が、この難局を切り抜けることができるか否かは不透明といわざるを得ません。ギリシャ問題をきっかけにして、既に“ユーロ防衛”にまで発展しています。

 この連鎖を沈静化することができないと、ユーロの信認はさらに低下することになるでしょう。実は、そこにもう一つ問題が潜んでいます。それは、ドイツ、フランスなどユーロ圏の中心となる諸国間で利害調整が進まず、意見の食い違いが鮮明化していることです。ドイツの人たちから見ると、「放漫経営をした南欧諸国を助けるのに、何故、ドイツ国民の税金を使わなければならないのか」という批判が出るのは当然でしょう。そうした国民の批判を説得して、主要国が、ユーロ防衛に一枚岩であたることができるかどうか、疑問の余地があります。

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