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ゼロ年代 ~決定打なき「21世紀最初の10年」の呼称(1/4ページ)

2010.04.19

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

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イラスト:小林大樹

 今年は2010年。2000年に入って10年以上の期間が経過した。この「10年間」について、80年代や90年代のような「分かりやすい呼称」が存在しないことが、マスコミなどでしばしば話題になっている。英語でも日本語でも適切な言葉が登場しないため、居心地の悪い状態が続いているのだ。このうち日本語では、現在のところ「2000年代」と「ゼロ年代」が有力な呼称となっているが、将来に渡って定着するかどうかは不透明な部分もある。

 20世紀の間は、英語でも日本語でも10年区切り(decade)の呼称に悩む必要はなかった。英語では少なくとも1920年代以降の呼称としてtwenties(20s)、thirties(30s)……nineties(90s)などが定着している。同様に日本語でも、年号付きの昭和xx年代や、西暦でのxx年代という呼称が定着している。例えば1950年に中井正一が雑誌で発表した評論『映画の持つ文法』には、あるドキュメント映画の手法を指す次のような論評が登場する。「一九一〇年代は、だからこれを非芸術だといった。一九二〇年代は、これを半芸術だといった。一九三〇年ごろからこれは芸術といわれはじめたのである」

 だがこの手法が「21世紀最初の10年」には通用せず、人々は困ってしまった(注:厳密には21世紀最初の10年は2001年から2010年とすべきだが、ここでは2000年から2009年を想定して話を進める)。少なくとも20世紀の中ごろにはこのような指摘が行われていたようだが、指摘が活発になるのは1990年代の中ごろのことである。

 これについて英語圏の人々は、国や地域を問わず様々な提案を行っている。だが2010年を迎えた現在、そのどれも決定打に欠ける状態が続いている。

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