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立川談笑「落語のチカラ」ビジネス

立川談笑:落語の明日はどっちだ?!『浜野矩随』(1/5ページ)

2010.04.21

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 毎度無駄話だけでは申し訳がありませんね。落語の話をしましょう。

 古典落語は、大きく滑稽噺(こっけいばなし)と人情噺(にんじょうばなし)とに分けることができます。滑稽噺は、面白おかしいもの。人情噺は、感動的な人間ドラマです。

 今回は、人情噺の代表格のひとつ『浜野矩随(のりゆき)』をご案内します。これは腰元彫り(主に刀剣に関する装飾細工師)の名人譚。元は講談のネタだそうです。感動的で根強い人気がある一方で、「この噺は好きじゃない」あるいは「嫌い」と言い切る人も少なくありません。まずはざっくりとストーリーから。

 名人と称えられた父が亡くなって数年。主人公の矩随はその跡を継いだ腰元彫りの職人ではあるが、腕の方はまるでダメ。母との2人暮らしで、当然生活は苦しくなるばかり。

 駄作ばかりで買い手がつかないところを、唯一、若狭屋の主だけは「お父様にお世話になったから」と、義理からどんな作品でも一律の金額で買い取ってくれた。もちろん売れやしないから在庫は溜まる一方で、今やみかん箱に13箱。

 ある日矩随の持ち込んだ作品は、3本足の馬であった。足が1本欠けているのは「夜中にうとうとしていて切り落としてしまった」から。人情に厚い若狭屋もこの態度には我慢がならず、矩随を叱責します。「おまえがこのまま職人でいることは名人の父親の顔に泥を塗っているようなものだ。いっそのこと死んでしまえ!」

 これを真に受けた矩随は自殺しようと決意するが、家に帰って母親に悟られる。「死にたければ死んでもよいが、その前に形見のために観音像を彫っておくれ」。矩随は一心不乱に製作に打ち込む。母はその横でひたすら神頼みを続ける。

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