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茂木健一郎の「超一流の仕事脳」ビジネス

茂木健一郎:時代の「最初の氷」を割る人 ~キング・カズ~(1/2ページ)

プロサッカー選手・三浦知良

2010.03.23

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 三浦知良さんは15歳でプロサッカー選手を目指してブラジルに渡った。そこではサッカーの下手な人は「日本人」という代名詞で呼ばれていた。サッカーのプレーをするための格好をしてグラウンドに立っていると、日本人であるというだけで、笑われるといった環境だった。そういうところから始めて、そこからプロの座を勝ち取り、帰国後は日本代表として初めてのワールドカップ出場を目指してチームを引っ張った。

 今でこそ日本はワールドカップに連続出場して常連のように感じてしまうけれど、当時はワールドカップ出場は遠い存在に過ぎなかった。カズは「カテゴリーブレーカー」として、それまで誰も到達したことのなかった場所を現実として引き寄せて見せた。カズがいたからこそ、その後に続く人たちはワールドカップは現実に出るものとして目指して行けるようになったのだと思う。

 こうした“最初の氷を割る人”が、これからの日本にはさまざまな分野で必要とされている。例えば、iPhoneやiPadのような、これまでにないコンセプトのものは、現在の日本からはなかなか出てこないものとして語られる。そうした状況に甘んじるのではなく、自ら切り拓くカズのような人が求められている。

 カズがワールドカップに出られなかったのは彼のサッカー人生の中では不思議なめぐり合わせだと思う。それでもサッカーに対する愛や誇りは何も変わっていない。

 自分を必要としてくれる人たちがいて、より良くしようという情熱を持っている組織ならば、たとえ下のカテゴリーでも自分は行くとカズは言う。そこにカズの誇りがある。

 こうした姿勢は、これからの時代の一つのロールモデルになりうるのではないだろうか。ビジネスの現場は企業組織において逆境や、例えば降格人事のようなことはいくらでもある。そうしたときに自分の内なる誇りに従って生きることが意味を持ってくる。

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