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空港スキャナー ~安全目的による「透視」の是非(1/4ページ)

2010.03.19

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

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イラスト:小林大樹

 最近、世界各国の空港で「空港スキャナー」の導入が進んでいる。これは搭乗者が衣類の内側に保持している異物(爆発物など)を発見するための検査装置だ。昨年末に米国で起こった航空機爆破未遂事件で、容疑者が非金属の爆発物を機内に持ち込んでいたため、その対策として導入が進んだ。ところがこの装置、搭乗者の体を透視して「裸に近い画像」を表示できるため、人権侵害の問題が指摘されている。

 昨年12月25日、アムステルダム発デトロイト着のノースウエスト便(デルタ運営)において、航空機爆破の未遂事件が発生した。同便に搭乗していたナイジェリア国籍の男が、デトロイト上空で「爆発物に着火した」という事件だった。幸い爆発は小規模に収まった上、容疑者も乗り合わせた乗客によって取り押さえられたため、ノースウエスト便は無事空港に着陸できた。この事件については、後にイエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」という組織が犯行声明を発表している。

 この事件では、容疑者が保安検査をくぐり抜けて爆発物を持ち込んだことが注目されている。容疑者はアムステルダム(スキポール空港)において金属探査を受けていたのだが、その段階で爆発物を発見できなかったのだ。実は容疑者が持ち込んでいたのは、PETNと呼ばれる「非金属」の爆薬。容疑者はこの粉末80グラムを下着に縫い付けて持ち込んでいた。

 そこでにわかに注目されたのが、空港スキャナー(full body scanner)と呼ばれる検査装置だ。メディアによって全身検査装置、全身(透視)スキャナーなどのように表記が別れているが、いずれも同じものを指す。装置の目的は、金属や非金属を問わず「衣類の中に隠れている異物を探し出す」ことにある。

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