(取材・文=加藤 レイズナ:フリーライター)
ゆとり世代、22歳の駆け出しフリーライターが、業界の大先輩たちに教えを乞うインタビューシリーズ新連載。「疑問に感じたことを恐れず真摯に聞くこと」を得物に、プロフェッショナルのことばを引き出し、若い世代と旧世代双方の「やる気」と「希望」をつなぎます。第一回に登場していただくのは、中村うさぎさん。ゲームライターからライトノベル作家、作家、エッセイストと非常に多彩な仕事を半ば体当たりで開拓していった「勇気ある物書きの先輩」に、物書きの覚悟を教わりつつ、中村さんの果てしない欲望の正体に迫りました。
お忙しいところを失礼いたします。先日、阿佐ヶ谷ロフトのイベントで挨拶に伺いました、フリーライターの加藤レイズナと申します。
実は出版記念イベントを見るのは初めてだったので、とても新鮮でした。私も中村さんのように上手に喋れるようになりたいと思っております。
この度「日経キャリワカ」で、ゆとり世代で新人ライターの僕が、様々な業界の先輩たちにインタビューを行い、指導を受けて行くという連載を始めるのですがその第一回目としてぜひお願い申し上げます。
中村さんの新刊、『狂人失格』とても楽しく読むことができました。私は現在22歳ですが、小学校の授業でインターネットというものを知り、高校のときに自分専用のパソコンを買い、それからというもの暇さえあればずっとインターネットばかりしていました。ネットの世界にはいろいろな人がいます。ひたすら誰かを叩く人。嘘や偽りの言葉だけで会話する人。そして、何を言っても話が通じない人。『狂人失格』を読み、過度な自分アピールのしすぎでネット上で叩かれている優花ひらりを見てそんな人たちのことを思い出しました。僕もニコニコ動画などネット上で活動している人間なので、読んでいて共感する部分も多かったです。
中村さんは1億円もブランド品に費やし、ホストクラブに通いつめ、美容整形をし、デリヘル嬢として風俗店勤務と、かなりの波瀾万丈な生活を送ってきました。僕は、アニメ「プリキュアシリーズ」が好きで、年間数十万単位で散財しています。そのせいで生活費がないと言っても周りから同情されにくいのです。中村さんもブランド物に1億も費やすなど他人からなかなか理解されにくい欲望があるのだと思います。中村さんの仕事へのモチベーションがこの欲望なのでしょうか。僕はこの欲望に身を任せながら生きていていいのか悩んでいます。欲望との正しい付き合いかたをぜひお聞かせください。
文章を書くのは好きじゃない
── 文章を書くという仕事を辞めたくなったときはありますか?
中村 それはね、あります。もともと文章を書くのが好きじゃないんですよ。
── ええー! そうなんですか。

作家。同志社大学文学部英文学科卒業。1958年2月27日生。福岡県出身。本名、中村典子。OL、コピーライターを経て、ゲーム雑誌ライターとして活躍。1991年に『ゴクドーくん漫遊記』(角川スニーカー文庫)でライトノベル作家としてデビュー、人気を博す。ブランド物買いや、ホスト通い、自らの美容整形について書いたエッセイがヒット。現在はエッセイストとして活躍中。デリヘル嬢として風俗店に勤務したり、税務署から差し押さえられるなど、波乱万丈な生活でも知られる。『ビンボー日記』シリーズ(角川文庫)、『ショッピングの女王』シリーズ(文春文庫)、など著書多数。インタビューのあと、お互い大好きな「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の話に。
中村 だって文章を書くのが好きな人って、絶対に金にならない文章書くじゃん。プロの物書きでもブログをやっていたりして、タダで書くんですよ! 信じられますか? プロなのに。
── 僕もブログをやっていますが、好きなことについて書くときは楽しいです。
中村 そういう人を見ると、本当に文章を書くのが好きなんだなって思います。例えばレストランのコックさんが家帰ったらご飯は作らないってのすごいわかる。タダだったら文章一行も書きたくないもん。だから年賀状も書かない。
── 徹底していますね、メールとかはどうしているんですか?
中村 仕事のメールはお金に結びつくものだから仕方なくやっています。友だちへのメールも、よっぽどじゃないと長く書かなくてさ。あ、何だっけ質問?
── 文章を書くのを辞めたくなったときは。
中村 そうそう、好きではないのでしょっちゅうあるわけですよ。趣味ではなく仕事で書いているから。





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