「知る楽 仕事学のすすめ」(NHK教育テレビ)は、毎回仕事の達人にスポットを当て、成功の秘けつや、ノウハウ、理念を語ってもらう番組だ。今月は、町工場経営・岡野雅行さんの「誰にも負けない ものづくり術」。今回は「利益を独り占めするな」がテーマだ。
従業員5人で年商6億円。岡野工業代表取締役社長、岡野雅行さんの口癖は「俺の会社は小さい方が良い」。
針穴の直径が0.08mmという、“痛くない注射針”。岡野さんは、この話題の製品を開発した名物社長だ。
今日は、町工場から様々なハイテク製品を生み出してきた岡野さんに、そのユニークな中小企業経営論を聞く。
大きな工場は必要ない

岡野さんが会社に期待するのは、こだわりの道具と、仕事仲間を管理する最小限の経営規模。借金して会社を大きくすることに何の価値も見い出してはいない。
岡野さんは言う。「私たちの基本は職人仕事。技術を磨くことが大切で、大きな工場は必要ない」
藤巻氏はこの疑問を岡野さんにぶつけた。
「これだけいろんなものを開発されて、“世界の岡野”じゃないですか。失礼な言い方かもしれないですけど、もっと(会社を)大きくしてもいいのに、どうして大きくしていかないかっていうのを、ちょっと聞きたいんですけど」
岡野さんは答える。
「藤巻さんは、中学時代はこんなに体でかくなくて、もっとスリムでいい男だと思うよ。それをずーっと死ぬまで続ければ大したもんだよ。だけどなかなかできないんだよ、人間っていうのは。だってやせるのは大変でしょ。太るには食べればいいんだから。会社もそう。大きくするのは簡単なんだよ。景気悪くなったから小さくするのは格好悪い。人をリストラしたり、辞めてもらったり、お互いに嫌な気持ちでしょ。それやりたかないわけ、僕は。自分のためにやるんだよ、仕事は。自分のために仕事はあるの。人のために働いてるんじゃないんだよ、俺は。自分のために働くんだって。大きくしてみなよ、人の面倒見るだけで精一杯。われわれ町工場なんてのはね、でかくしたって限度がある。仕事は自分のためにやるんだと、人のためじゃないんだと。大きくするとね、人のために働くようになっちゃうんだよ」(岡野氏)





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