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正社員の夫たちの問題でもある~『主婦パート 最大の非正規雇用』(1/2ページ)

2010.03.12

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(NPO連想出版 新書マップ編集部 川井 龍介)

『主婦パート 最大の非正規雇用』
本田一成 著
集英社
735円

 主婦パートは「アリ地獄」。すり鉢状の穴に落ちて、もがいてもはい上がれないアリを想像するとぞっとするが、それとパートで働く主婦は同じというのだ。育児など家庭内の“仕事”もしなくてはいけないという責任があり、その制約から仕事をあれこれ選べるほどの自由はない。低賃金、低待遇でも甘んじるしかない。本書は、こうした主婦パートの置かれた厳しい現状を、さまざまな面から考察する。

 著者は、経営学博士で、スーパーマーケットやファミリー・レストランなどの人的資源管理や組織行動などを専門とする。中高年のリストラや派遣社員の雇い止め、あるいは若者の就職難など、昨今は働くことをめぐる問題が、新書のテーマになっているが、パートについてこれだけ正面からとらえたものは初めてだろう。

 本書にあるように、総務省の「平成一九年就業構造基本調査」によると、正社員は3430万人であるのに対して、非正社員として働く人々は約1890万人。そのうちパートタイマーは約1300万人で、主婦パートは800万人。つまり、主婦パートは非正社員全体の4割強を占めている。

 ところで、パートとは、パートタイム労働法で「一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い労働者」と定義されている人たちのことで、アルバイトあるいは準社員などと呼ばれている人たちも、この定義にあてはまればパートタイマーとなる。

 ただ、この中で育児や家事を担いながらパート労働をする主婦パートが抱える問題の特殊性を本書は浮かび上がらせる。簡単には辞められないという主婦パートの弱みに企業はつけこんで待遇改善をしようとせず、一方で仕事のできる主婦パートを中心にして、パートでありながら社員並みのあるいはときにそれ以上の役割と責任を負わせる。パートであってもサービス残業をせざるを得ない。

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