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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

民主・地方選連敗でも、自民は国政で正念場

2010年2月24日

死ぬまで忘れない記者時代の痛恨のミス

 政治の流れというのはおもしろいもので、あとから考えると、ああ、あのときが転換点だったのだと思い当たることがある。それを「潮目」と称する。

 政局の予測は、この潮目をその時点で正確に感知できるかどうかで左右される。

 まあ、人間のやることだから、予想もしない要素が飛び出したりして、政局展望というのは難しいものだ。これまで何度も間違った。新聞社の政治部在勤時代には首相をはじめとする要人の出処進退をキャッチするのが最大の仕事だったといっていい。

 政策本位の政治報道が望ましいのは百も承知だが、政治記者にとって最高のスクープは「首相、きょう退陣表明」といった見出しに象徴される政界要人の進退に関するニュースである。政治転換が行われるわけだから、当然ながら、読者、国民の関心を呼ぶニュースとなる。

 こんなことから書き出したのは、痛恨のミスがあるからだ。

 竹下登氏は「もののふ(武士)の進退は瞬時にして決すべし」と、よく口にしていた。政治家たるもの、いさぎよくあれ、という戒めだが、世間があっと驚くタイミングで進退を決すれば、その後の政局展開で主導権を握ることも可能になるという思惑も隠されている。

 そういう話を聞いていながら、毎日新聞に「竹下首相、きょう退陣表明」と抜かれた。これは新聞記者をやめてからも、思いだすと悔しさが募る。おそらく死ぬまで覚えているに違いない。

 毎日の記者がたまたま竹下氏に近い政治家と深夜まで一緒だったのがスクープの裏側、といった話も聞いたが、取材源の秘匿はジャーナリズムにとって最大の守るべき決まりごとだから、真相は分からない。

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