現在、各国政府の景気刺激策の効果もあり、世界経済は緩やかな回復過程を歩んでいます。そうした状況を反映して、経済専門家の一部からは、「今年の世界経済は、当初の予想を上回る4%以上の成長が可能になる」との強気の予測が出ているようです。確かに、今の経済環境がこれからも続くとすれば、これからも緩やかな景気回復が続くと予想されます。
しかし一方で、世界経済が大きな“地雷”=リスク・ファクターを抱えていることを忘れることはできません。一つの“地雷”は、ソブリン・リスクです。ソブリン・リスクとは、特定の国が、その債務を返済することができなくなることです。金融市場では、企業や国などが、債務を返済することができなくなることをデフォルト・リスクといいます。ですから、国がデフォルトを起こすことを、ソブリン・リスクということになります。
最近、ギリシャのリスクが高まっているというニュースを、新聞やテレビなどで見ることが多くなっています。実は、リスクが高まっているのは、ギリシャだけではありません。PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国の信用状況も、かなり悪化しているといわれています。
ソブリン・リスクの高まりの背景には、リーマンショック以降の景気低迷によって、各国政府が、民間企業の債務の肩代わりを行ったり、景気刺激のために多額の国債を発行したことがあります。そうした政策運営によって、短期間に、多くの国の信用状況が急速に悪化したと考えられます。問題は、信用状況の悪化する国の範囲が拡大していることです。最近では、STUPID(スペイン、トルコ、英国、ポルトガル、イタリア、ドバイ)という言葉までできているようです。



市場を弄ぶ“魔性の記号”の正体とは──
壊れゆく国



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