(もり・ひろし=新語ウォッチャー)
プロボノ(pro bono)という新しいボランティア手法が注目されている。「知識労働者が自分の職能と時間を提供して社会貢献を行うこと」を意味する。元々は弁護士などの限られた業界で一般的だった活動だ。ところが米国のある団体が「知識労働者とNPOとを結び付けてNPO支援を行う」仕組みを考案したことから、マーケティングやシステム開発など、幅広い分野の知識労働者がプロボノ活動に取り組めるようになった。
プロボノは「pro bono publico」を略した英単語。ラテン語を語源とする形容詞だ。直訳では「公益のために」(for the public good)程度の意味になる。一方、実際の意味は「公益のために無償で仕事を行う」ことを指す。
公益の無償奉仕といえば、ボランティアが思い出される。このボランティアとプロボノとの違いは、従事者の職能を生かすかどうかにある。まず狭義のボランティアは、従事者の能力を問わず「時間」(単純労力)のみを提供する。一方プロボノは、その人が自分の職業を通じて身につけた「職能」を提供する。例えばプログラマーならシステム開発能力を、建築家なら建物の設計能力を提供するわけだ。
このような社会貢献の手法は、これまで弁護士やコンサルタントなどの限られた分野で一般的だった。例えば弁護士の場合、無償または低報酬で行う弁護活動や法律相談などが、プロボノ活動と位置付けられている。映画「アイ・アム・サム」(米国で2001年に公開)や、漫画原作のドラマ「ホカベン」(日本テレビで2008年に放映)などの作品も、弁護士によるプロボノ活動を取り上げている。
世界の弁護士会の中には、所属する弁護士に対してプロボノ活動を強く推奨するところも多い。例えばアメリカ法曹協会(ABA)は弁護士規範の中で「年間50時間以上のプロボノ活動を行うよう努めるべき」との方針を示している。また日本でも第二東京弁護士会が年間10時間のプロボノ活動を義務化している。活動に充てた時間が足りない弁護士は、1時間当たり5000円を会に支払う決まりも設けている。






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