
今回お話をうかがった岡田倫代さんは香川県の定時制高校で日々生徒と向き合っておられる。これからの教育はどうあるべきかについて、岡田さんは「人間を作れば勉強はついてくるもの」という言葉で表現されていた。
いまの教育は、現場の現実として学科は教えているが人間を作ることについてはほとんど考慮されていないのではないだろうか。いわゆる優等生とされる大学に来ている学生たちを見ていても、決して彼らが人間としてできているとは思えない。だからこそ岡田さんの言葉はとても普遍的な意味を持っている。
自分にプライドを持ち、自ら学び、決して人との比較に優劣の基準を置くのではなく、学ぶこと自体の喜びに基準を置くような人をいかに育むかが、教育の一番の目的なのだと私は考えている。そういう意味では日本の教育は明らかに失敗していると思う。
岡田さんは定時制高校の子供たちは自己肯定感が低いとおっしゃっていた。私は脳科学者として断言してもよいと伝えたのだが、生まれてきた子供はみんな根拠の無い自信を持っているし、自分を肯定している。それがどこかで自分を肯定できなくなるのは、本人たちの責任ではなく、教育や彼らをとりまく社会の失敗であると。
「人間をつくる」ための方法論の1つとして、人と人の「間合い」や距離感を把握することは重要なポイントである。例えば男の子は子供のように甘えてくることもあれば、大人びて背伸びしたいときもあり、大人びているときはあまり近づいてはいけない。甘えているときにだけ距離を縮めるのだとおっしゃっていた。また、子供に対してはゆっくりと話しかけて、ゆっくりと話を聞く。こうしたことは学校だけではなく、社会においてもそうだと思う。「人間をつくる基になるのは人間だけ」だと岡田さんは言う。


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