iPodで聴く中村天風の凄まじさ
iPodは私たちの生活にすっかり馴染んでしまいました。iPodが発売されたのは2001年11月ですが、今ではデジタル・オーディオ・プレーヤーをもっている人が圧倒的に多くなりました。私自身は読書の次に音楽鑑賞が趣味なのですが、遅ればせながら2007年7月から使用するようになりました。
私の周りにいた先端人たちは、今から考えるとかなり分厚い初期モデルから使用していました。とくに経営者が多かったせいもあり、講演録を聞いたり、英語学習に利用するといった使い方でした。
私の使い方はじつに保守的で、シャッフルするなど、もってのほか。ほぼ毎日聞くアーティストは決まっており、『OASIS』と『John Mayer』を互い違いにローテーションする日々です。アーティストのアルバム構成にはそもそも意図があるため、それをあえて変えて聞く必要などないと思っています。
少し変わった聞き方としては講演録をモチベーション維持の道具として使っていることでしょうか。中村天風の『積極性と人生』をたまに聞くことがあります。ちなみ、若い世代の読者の方は、中村天風といってもわからないと思いますので、少しだけ解説いたします。
中村天風(本名:中村三郎)は、日露戦争時に特殊工作員として満州に赴きます。その後、結核を発病し、米国、欧州に渡って「自らの病を治す」研究をしました。そして、日本への帰国途中にインドのヨーガ聖人・カリアッパ師と出会います。師のもとでヒマラヤにおいて修行をし、「病の原因がそもそも自身の心の態度」にあることを発見。日本で最初のヨーガ行者だと言われ、心身統一法を広めました。
もっと、簡単に言ってしまえば、日本におけるポジティブ思考及び成功哲学の祖という言い方が適切かと思います。
中村天風の本は、けっこう好きで読んでいましたが、私が生まれた年に亡くなっているので、その人となりは全く知りませんでした。
『積極性と人生』というCDは、54分間の講演録ですが、その三分の一くらいは同じことを繰り返し語っています。ですから、全部を通して聞くにはかなりの忍耐力が必要です。しかし、「音楽」として聞くとなかなか味わい深い世界があります。
中村天風の声には、多くの困難を乗り越えてきた凄みが感じられます。ややしわがれた江戸口調で語るその声は、聞くものの心の奥にズンと響いてきます。そしてこのCDのタイトルにある「積極性」を「せきぎょくせい」と発音しているところに並々ならぬ迫力を感じます。これが「せっきょくせい」と発音していないところがよいのです。





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