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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:「小沢民主」が乱れ、国民の怒りが爆発する日(3/5ページ)

2010.01.27

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 小沢氏がいなくなれば、あるいは幹事長ではなくなれば、まず鳩山首相が吹き飛ぶ。民主党幹部で鳩山氏を強く支持する人は少ないからだ。本人にビジョンと政策があり、人望と国民的支持があれば別だが、そのいずれも「ない」ことはこの4カ月で実証済みである。首相になって100日間のハネムーン期間でさえも、言っていることはコロコロ変わるし、麻生前首相を上回る「アー勘違い!」発言を連発している。

「最後は自分が決める」と言いながらズルズルと結論を伸ばすのも、これで4人連続となる「(たたき上げではない)家業としての」首相に共通の現象である。これは生まれ育ち、染色体などの問題だから、小沢氏のくびきが外れたら突然変わる、というものでもないだろう。鳩山氏は間違いなく、小沢氏と運命共同体(首相の言葉では一蓮托生)なのである。

長期政権を樹立するための小沢氏の野望

 その後、民主党政権の誰が首相になってもピラミッド型に組織を維持することはできないだろう。独裁者のいいところはイラクのサダム・フセインやユーゴのチトーのように、少数派であっても、国を一つにまとめることができる、という点である。小沢氏が去れば、民主党は「自民党化」する。田中角栄氏以降の自民党は「自分党」と言われていたように、森羅万象を取り扱う総合百貨店である。これは利権が分散しているからである。

 小沢氏は中国利権(田中・橋本氏などが占有)でも台湾利権(金丸氏が担当)でもロシア利権(森、鈴木宗男氏など)でも、何から何まで自民党から移植することに専念してきた。沖縄普天間の問題でも辺野古を反古にしたのは、すでに自民党がその利権を押さえているからだ、と言われている。自民党は業界別、地方別、国別に利権を分散し、それぞれの「専門家」がお互いの利権を認めることによって長期政権を維持してきた、とも言える。

 これを一番良く知る小沢氏が利権(すなわち陳情の対価)を一元化し、強引に既得権益を剥がして独裁体制の構築に余念がなかったのは、そうすることによって長期政権を築く、という野望があったからにほかならない。その意味では小沢氏はまさに田中角栄の愛弟子であり、「越山会」ならぬ「陸山会」と言う言葉も35年遅れの「デジャブー」である。

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